シンガポールで最も歴史あるレストラン
ノースブリッジロード沿いにたたずむ店舗は中東の街角で見かける風景そのまま
赤を基調とした店内はとてもにぎやか
1921年創業、シンガポールで最も歴史あるレストランともいわれているのが、このイスラミックレストラン。19世紀に中東からやって来た、裕福な商人のおかかえ料理人だったという初代、アブドラ・ラハマン氏が開いたレストランです。現在は三代目で、孫のカリルさんが後を継いでいます。提供されるのは、北インド料理とマレー料理。メニューには、インド料理の炭火焼き「タンドーリ」も、マレー風のチリソース「サンバル」を使った料理も並んでいます。歴史あるレストランだけに、店内は地元の人でいつもにぎわっていて、インド系、マレー系の人たちのみならず、中華系の家族連れの姿も目立ちました。
シンガポール初代大統領も食べた! 約100年受け継がれる味
これが伝統のナシ・ビリヤニ
サフランライスの中から大きな塊の肉が顔を出す
そして、ここに来たら絶対に注文するべき、と誰もが口をそろえるのが、トルコとインドの料理をミックスした、初代のアブドラさん考案のナシ・ビリヤニ。名前自体も、マレー語の「ナシ=ご飯」と、インド料理の炊き込みご飯「ビリヤニ」をミックスした造語で、約100年前の元祖フュージョン料理ということもできそうです。このナシ・ビリヤニが大評判となったことがきっかけで、ついにはレストランをオープンすることになったとか。
代々受け継がれてきたその調理法は、肉をハーブや調味料で漬け込んで、サフランライスとともに大きな鍋で炊き上げた料理。シンガポールの初代大統領も食べに来たという名物料理です。本物のサフランをたっぷり使って炊き上げたビリヤニは、サイドディッシュ、ドリンクとセットで13シンガポールドル。具はチキン、マトン、魚から選べます。ガイドは中東らしいマトンにしました。やってくると、まずそのボリュームにびっくり。山盛りのサフランライスに、食べきれるかな? と少し不安に。でも、サフランライスを食べているうちに、中から香ばしい肉の塊が登場。まったく臭みがなく、柔らかく炊きあげられた肉は、北アフリカのムスリム料理店で食べた土鍋のクスクスを思わせる味です。甘いトマトベースのソースと、絶妙の炊きあがりのサフランライスと合わせながらいただくうちに、すっかり一皿食べてしまいました。
そのほかにも魅力的なメニューが
タンドーリセットもおすすめ
インド料理とマレー料理のレストランだけに、タンドーリ料理も魅力的なオプション。香ばしく焼き上げたナンは、脂っこくなく、小麦の味を味わえる素朴な味です。ダール豆のカレーやコリアンダーのチャツネ、ピラフのセット、さらに紅茶などのドリンクがついてこちらも13シンガポールドル。ジューシーでやわらかなタンドーリチキンは、もうひとつの定番です。歴史を感じる古い写真が飾られた店内は、サービスも迅速で活気にあふれていました。アラブストリートからもほど近く、シンガポールに息づく中東の風を感じに、訪れてみてはいかがでしょうか?年中無休で、通し営業なので観光でランチタイムを逃してしまった、などという時にもとても便利なレストランです。
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■Islamic Restaurant
営業時間:10:00~22:00、無休
住所:745 North Bridge Road, 198713
電話: +65 6296 1161
アクセス:MRTブギス駅徒歩8分