シンガポールのコロナ対策は封じ込め作戦

他国におけるコロナ感染対策、ニュース等で情報は入ってきますが、実際はどうなのでしょうか。シンガポールでのコロナ感染対策を現地在住の筆者がレポートします。
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外出規制があった時期のオーチャードロード。シンガポール随一の目抜き通りに歩行者がいない異様な光景 

2020年1月23日に初のコロナ国内感染者が認められた後、シンガポールではコロナ感染者の増加を懸念して、同年の4月7日~6月1日の間、コロナ感染を防ぐために、部分的ロックダウンであるサーキットブレーカー措置がとられました。 

この期間は学校、オフィス・店舗(特例もあり)も閉まり、飲食店は持ち帰り・デリバリーのみ対応、運動や食品の買い出し等以外の不要不急の外出は認められていませんでした。

この抑え込み措置は、耐え忍ぶ2カ月でしたが、コロナ感染者数を激減させる効果がありました。

 

誰にもわかりやすい段階規制「フェーズ」を導入

2020年6月2日以降、シンガポール政府は段階的に規制を軽減する指針、フェーズ1~3を導入することにしました。フェーズは段階的に、「どのような状態になったら、行動規制が緩和されるか、またそのために国・国民として何をすべきか」の指針。フェーズが変わるごとに政府から公式に、フェーズごとの細かな規制詳細とともに発表があります。 
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フェーズの段階措置を表す政府発行のポスターの例

 

2020年7月~2021年4月は「フェーズ3」移行で市中に活気

2020年実施のサーキットブレーカー以降、コロナ感染者が市中では0~1桁が続き、同年12月には規制措置が最終段階のフェーズ3にまで移行し、それまでの外食5名縛りから8名まで可能となりました。またレジャー目的の海外旅行はコロナ禍の影響を受けて下火になっていましたが、香港までの特別な旅行のパッケージが企画されるなど、コロナ感染症対策の山場を抜け、市中の生活は活気づいていました。

政府から18歳以上の国民に対しては、シンガポールの国内消費需要を高めるために、提携先のアトラクション、ホテルステイ、飲食などが楽しめるSingapore Discovery VoucherをS$100分(約8259円 ※2021年06月現在日現在の参考金額)が配布されました。

また、海外旅行に興じられない分、娯楽として飲食店での消費が高まり、特に高級飲食店の中には、数カ月から半年先まで予約が取れなくなる店舗も続出しました。

 

2021年5~6月はクラスター発生で「フェーズ2」に後戻り

アフターコロナの雰囲気に満ちていたシンガポールですが、2021年5月に海外からのコロナ変異種の流入により、再度のコロナ感染クラスターが発生しました。そのため段階規制が「フェーズ2」の中でも厳しい規制措置のある「phase 2 heightened alert period」となりました。

 

どんな規制措置なのか?

2021年5月16日~6月13日の「phase 2 heightened alert period」の間の主な規制ポイントは次の通りでした。
  • 外出や集まりの人数は2名まで(親子の場合等、特例もあり)
  • 飲食店での外食禁止 
  • 学校(小・中学校、高等専門学校、ジュニアカレッジ)の閉鎖(5月28日まで。6月から地元の学校は長期休み)、インターナショナルスクールは引き続き休み、または厳しい規則に従い運営)
  • ショッピングモールの人数制限
  • 美術館等の人数制限
  • 一般家庭に訪問できる人数は、訪問業者も含めて1度に2名まで(1日最大2回)
  • オフィスでの勤務の非推奨、等
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シンガポール政府が出している、家庭訪問時の注意書き

 

シンガポールのコロナ感染対策と未来

2021年5月31日、シンガポール首相のリーシェンロン首相は、国民に向けて自身の公式Facebook LIVEにて、「コロナ感染と今後のシンガポールの在り方」について、下記3点を強化することで、今後大きなクラスターを防げる、また、それにより近い将来には諸外国との往来を可能にし、シンガポールの経済復興と繁栄が期待できるとの見方も示しました。

リーシェンロン首相のスピーチで強調された3点
  1. 迅速な感染有無の確認テスト(近日中に検査キットが薬局で入手可能に)
  2. 感染経路の追跡システム(シンガポールではトークンか携帯アプリで、誰がどこを訪問したのかが追跡できるシステムが導入されている)
  3. ワクチン接種(シンガポール全国民・住人に対しての早急なワクチンの接種の推奨)
 

在住者から見るシンガポールのコロナ感染症対策と今後

シンガポール政府のコロナ感染症対策は迅速かつ、発表された規制は全て実行されています。 
政府の姿勢は、規制に改良点があればそれを反映させる合理的なもので、また「誰が何をすべきか」という分かりやすい指針を出すことで、国民一人一人の行動への落とし込みを可能にしています。

昨年の封じ込め作戦が功をなしているので、国民の政府への信頼は厚く、今年の封じ込めも当然の流れとして受けとめているような気がしています。

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