横穴式石室が再現される将軍山古墳の展示館
稲荷山古墳をさらに東に進むと、埴輪が並べられた前方後円墳があります。6世紀後半に築かれた全長約90メートルの将軍山古墳は、墳丘の東側が崩れていますが、逆に古墳の断面構造が観察できるようになっています。墳丘に登ることはできないのですが、古墳の内部が展示館となっています。館内には後円部にあった横穴式石室が再現され、馬具や環頭太刀などの様々な副葬品が展示されています。
墳丘内部に展示館が設けられた将軍山古墳
将軍山古墳展示館に再現される横穴式石室
外周をのどかな遊歩道が囲む二子山古墳
稲荷山古墳の南側、古墳公園のほぼ中央に、2つの山が連結したような前方後円墳の姿が目に入ります。側面から眺めると巨大な船が港に停泊しているかのようです。6世紀初頭前後に形作られたと推測される二子山古墳は、全長138メートルで武蔵の国で最も大きな前方後円墳です。墳丘の外周に沿う遊歩道を歩いていると史跡にいることを忘れ、のどかな散歩道を散策しているように感じられます。春にはポピー、花菖蒲などが鮮やかな彩りを見せてくれるところです。
遊歩道が囲む武蔵の国で最大の前方後円墳、二子山古墳
世界遺産への登録を目指すさきたま古墳公園
二子山古墳の南、県道を挟むエリアにも少し規模の小さな古墳が点在しています。鉄砲山古墳、中の山古墳、瓦塚古墳、奥の山古墳、愛宕山古墳など加えると、さきたま古墳公園内には、9つの古墳が凝縮しています。これほど多くの古墳が見渡す限りに見えるところは全国的にも類を見ません。「埼玉古墳群-古代東アジア古墳文化の終着点-」として世界遺産への登録を目指していますが、今のところ公園だけではなく周囲環境が整っていないという理由で見送りとされています。
さきたま古墳公園へのアクセス
交通のアクセスにも若干の難点があります。今のところはマイカーかレンタサイクルを利用せざるをえません。マイカーであれば秩父鉄道の行田市駅から県道77号線を南東に向かって約2キロ走ることになります。レンタサイクルであれば、JR高崎駅東口の観光案内所または秩父鉄道行田市駅から徒歩約5分の観光情報館で無料貸出を行っています。自転車はさきたま古墳公園をはじめ、市内5か所の観光スポットで返却することができます。
レンタサイクルが準備されるJR高崎線行田駅東口の観光案内所