熱帯魚/水草の育て方・オンライン図鑑

[第6回]トータル的に優れた照明(4ページ目)

トータル的に優れた照明である蛍光灯について、水槽サイズによる管の選定やそのコツ、また定説となっている半年での蛍光管の交換について、具体的な経過時間による減少率を例に挙げて解説。

長谷川 秀樹

執筆者:長谷川 秀樹

熱帯魚ガイド

具体的な目安

照明量を求める計算方式を参考にした上で、水草を高いレベルで管理するのに必要な蛍光灯の使用本数が以下になります。

水槽サイズ(横幅) W数 本数
60cm 20w 2~4本
90cm 30w 4本以上
32w 3~6本
120cm 20W 8本以上

上記表の最低本数であれば丈夫な種類の育成は可能ですが、水草の種類・植栽位置の選択に制約を受けたくなければ、設置可能な最大本数を使用した方が懸命でしょう。


 

蛍光管の寿命

蛍光管はその特性上、経過時間とともに光量が減衰してきます。様々な書籍などで解説されるのは、約半年で使用当初の1/3~1/2の光量になってしまうので半年周期での交換が定説となっていました。では、実際のところ、どうなのでしょう?

調べてみた結果、点灯初期の明るさが100%以上あるものとして。

経過時間時間による光量の減少率
2000時間 10%の減少(100%の明るさから)
6000時間 15~20%の減少

勿論、これは画一的な数値ではなく、各製品・使用環境によっても左右されます。また、W数が高い蛍光管ほど、減少率は高くなるようです。

この数値から見ると、平均的な一日の点灯時間を10時間とすると、200日で10%強、600日で15~20%強の光量減少があることが解ります。点灯初期の明るさが100%以上ある事を考慮して、200日で約15%程度の減少でしょうか。つまり、60cm水槽に20型18W蛍光管を4本使用した際、

72(w)×0.85=61(w)

となります。1/2もの光量低下はありませんが、11wの減少は痛いですね。蛍光管約1本少ないことになってしまいます。という事は、半年毎に全ての管を交換する必要はなくとも、半分交換した方がより良い状態を保てるでしょう。やはり、新品当初と比べると、半年間使用した蛍光管はやや暗く感じ演色性も低下してきます。経験的には、6~8ヶ月周期で半分の交換を行なった方が、水草の生育状態は良いと感じます。結果、上記周期で半分の交換を私はお勧めします。



長谷川秀樹の誰でも解かる!水草指南
第1回 水草水槽のすすめ
第2回 フィルターの重要性
第3回 照明と二酸化炭素
第4回 CO2添加方式のバリエーション
第5回 CO2高圧ボンベを使用しての強制添加
第6回 トータル的に優れた照明―蛍光灯
第7回 水草水槽に適した底床


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