「ながら食べ」のデメリット…仕事や読書、スマホと一緒の食事は要注意!
忙しくてなかなか時間がとれず、仕事をしながらランチを済ませたり、本や新聞、スマホを見ながら食事をしたりしていませんか? しかし、“ながら食べ”は太るという研究結果が『Journal of Health Psychology』という論文雑誌で報告されています。この研究内容は少し複雑ですが、「ダイエットをしている女性に歩きながらシリアルバーを食べてもらい、その後にスナックを食べてもらった場合、歩かずにシリアルバーを食べた他の被験者よりも、スナックを食べる量が多かった」というもの。
ダイエットをしているはずなのに、なぜ太りそうなスナックを他の人たちよりも多く食べてしまったのでしょうか?
「ながら食べ」が太る理由
論文では、歩きながら食べていた女性の方がスナックの量が増えた理由として、「歩いたからいいだろう」という安心感が生まれてしまったためではないかと考えられています。しかし女性は歩きながらシリアルバーを食べています。ここで考えられるのが、歩きながら食べたことで「食べた」という意識が低くなっているのではないかという点です。シリアルバーを食べたという事実が低く処理されてしまい、「運動したから大丈夫だろう」という意識が強く働いてしまったことが考えられます。
これは「歩きながら」以外のさまざまな「ながら食べ」にも当てはまる内容です。デスクで書類を見ながらのランチも、テレビやスマホを見ながらの休憩や晩酌も、「○○しながら」の行為と食べる行為を同時に行っているため、意識が「食」に向かず、他のことに分散されてしまいます。そうした結果、噛む回数が減ったり、だらだらと食べ続けてしまったり、食べた量を忘れてしまったりという負のスパイラルに陥ります。
健康によく効率的なのは「ながら食べ」ではなく「ながら運動」
上述のように「ながら食べ」は決してオススメできません。しかし、「ながら運動」はかなりオススメできます。掃除機をかけながらストレッチ、通勤途中にインターバル速歩など、今までの生活を大きく変えなくても活動量を上げることは可能です。運動も本気で行うのであれば、どの筋肉が動いているかを意識するということが大切ですので、身体を鍛えるならば「ながら運動」は難しいかもしれませんが、メタボリックシンドロームの予防や解消のためであれば、十分な効果が期待できます。
唯一推奨したい「ながら食べ」は会話を楽しみながらの食事
また、「ながら食べ」の中でもひとつだけ推奨したいものがあります。それは、家族や友達、仲間との会話を楽しみながらの食事です。会話といっても、激論を交わしたり、難しい勉強の話をしたりというのは、会話も食事も中途半端になるのであまりオススメしません(ただ、これを逆手にとることもできます。現在はあまり集まっての飲食が推奨できませんが、激論になっては困るような会議では、軽食や甘いものを出席者に配ることで、会議の議論が過熱しすぎずやんわり進行することができるといった面もあります)。
話が横道にそれてしまいましたが、楽しいおしゃべりをしながらの食事は心理面でもよい影響を与えます。コロナのため食事の場でも黙食が進められたり人数制限があったりしますが、家族やオンラインでのランチなどでは、ぜひ「ながら食べ」を実践いただければと思います。