価格上昇で、悩む判断 「マンション購入は、2020年まで待て」はホント?
マンション価格の年収倍率は、上昇トレンド

購入適齢期の30代の中に、「今マンション購入を進めるべきか、それとも東京五輪後の2020年以降に先送りするか」悩む人が目立ってきているようです。要因は、ここ数年の大幅なマンション価格の上昇。新築マンション価格も中古マンションも2015年9月度では、ともに1割を超える売り出し価格の上昇です。住宅金融支援機構発表の「フラット35利用者調査 2014年度」によれば、2006年上期に5.8倍だった新築マンション購入における年収倍率は、2014年下期には、6.8倍に上昇。マンション購入のハードルが、高くなってきています。
マンション購入者の年収倍率の推移(出典:住宅金融支援機構undefined2014年度フラット35利用者調査)

マンション購入者の年収倍率の推移(出典:住宅金融支援機構 2014年度フラット35利用者調査) 


マンション価格上昇の要因とされているのが、東京五輪を控えた地価の反転上昇と復興需要を含めた建設需要によるマンションの建設費の上昇。こうした要因が一巡する、2020年以降なら新築マンション価格が下落するのではといった憶測が出るのも無理はないでしょう。

2005年から2007年にかけてのファンドバブルの頃と状況が異なるのは、当時は出口が収益用不動産だったのが、現在は実需になっている点です。ファンドバブル時は、分譲用に計画された新築マンションが一棟ごと賃貸用不動産として購入されるケースも見られました。今は、逆に賃貸で運用していた築年数の浅い一棟マンションをリノベーションして分譲するケースも散見されます。賃貸マンションの賃料上昇が大きくは期待できない中、品薄感のある分譲市場に貴重な事業機会を提供しています。

もう一つの傾向としては、アジアを中心とした外国人の購入が一部の都心エリアの物件で目立つこと。東京の好立地マンションの評価の高さがうかがえます。為替が円安に振れて自国通貨ベースで割安なこととともに、2020年の大きなイベントで注目を集めているのも人気の一因。イベント終了後にこうした購入層が、売りに転ずれば少なからず価格は弱含むと想像できます。東京都の人口増加トレンドも2020年ごろピークになるとの見方もあり、将来の空家率のアップを考えると需給が弱含むことも考えられます。
都心の風景

東京都心のマンション価格は、この1年で大きく上昇

では、2020年まで待ってマンションを購入した方が良いのでしょうか。価格面だけでなく多面的に購入メリット、デメリットを考えてみましょう。

価格が下がることを待って、5年待つことの意味
5年間をどう過ごすかが重要

5年間、購入を先送りすることでその期間の住居が必要になります。実家や社宅・官舎などに住んでいる人を除けば相応の家賃がかかります。仮に、家賃15万円の賃貸暮らしの場合だと5年間の家賃の総額は、900万円になります(更新料がかからない場合)。

仮に5,000万円のマンションを購入すると考えると2割近く価格が下がらないと、待った方が得と言えません。ローンの完済年齢も返済のスタートが遅れるので、自己資金を貯めるなりして備えることが必要です。とはいえ、同じ生活スタイルで早々貯蓄は進まないもの。例えば、あえて賃貸の新居を探して生活費を抑えその分貯蓄にまわして、将来に備えるのも一つの方法でしょう。

次のページでは、さらに比較する上で確認すべきポイントを挙げたいと思います。