子育ての楽しみを阻む、ママにありがちな「ながら族」って?
子育てを楽しむために親が必要なものとは?
最近、カウンセリングをしていて思うのは、ママのストレスの原因の1つに「ながら族」が絡んでいるケースが多いということ。
一般的な「ながら族」とは、テレビを見ながら勉強したり、歩きながらスマホを見たり…などが挙げられますが、ママの「ながら族」とは、例えばこんな感じです。
- 育児をしながら、仕事のことを考えている
- 仕事をしながら、夕食の献立を考えている
- 夕食を作りながら、育児の反省をしている
- 子供と向き合いながら、また仕事のことを考えている……
「育児+家事」、さらに仕事を持つ人は「育児+家事+仕事」、これらをうまくこなしていくことに追われ、自分がその瞬間にやるべきことを目の前にしながら、気持ちは別の所に行っていることがよくあります。
子育て中は、やることが次から次へと出てきて、まさに息つく間もない日々。すると、「物事を効率化できないか」という発想が当然ながら浮かびます。そこから導かれる「ながら現象」なのですが、思考がばらけていると、物事ははかどらなくなります。はかどらないばかりか、どれも満足できず不完全燃焼を感じがちに……。心理学で推奨されている、「今を生きる」という大事な習慣が欠けていることによる弊害です。
親の未来志向は、今をおろそかにする要因
「ながら族」もそうですが、親の未来志向も、今を生きる習慣を阻んでしまう要因の1つです。親は子供の未来を考えます。だから、
- 将来、いい学校に行けるように「勉強しなさい」と言います
- 将来、いい仕事につけるように「○○を習いなさい」と言います
- パパは、昇進するために、目標を高く掲げて深夜まで働きます
- ママは、60歳になってもスリムでいるために食べたいケーキを我慢したりします
「一流大学入学のために」と幼少時から睡眠時間を削ってまで勉強させるのは問題ですし、「将来の部長職をめざし」、パパが仕事オンリーになってしまったら困りますよね。
人生の花の時期は常に未来にあると信じて生きていると、今の楽しみに気づかずに通り過ぎてしまいます。
「あの子、今日初めて○○ができるようになったわ」
「あそこのもみじ、ここ数日で急に赤くなりはじめた、秋ね~」
「あの桃、美味しそう!」
のような「旬」や「彩」を取りこぼしてしまうのです。
子育てを楽しむコツ、そのヒントは子供達自身に満ちているスキル!
ながら族も、未来志向も、ときに有効ではありますが、ときにストレスの原因にもなります。今を見ずに別のところを見ていることで、集中力に欠けミスをしたり、「常になんとなく忙しい」という慢性的な焦燥感に駆られたり……。こんなとき、ぜひ見ていただきたいのが子供たちの姿です。子供たちって「今」を生きていますよね。
- 公園で、「やだ~、まだ帰らない。ブランコに乗る~」
- スーパーで、「あれ買って、これ買って~」
- お腹がすけば、「お菓子ちょうだい」
もし今、目の前にチョコレートが置かれたらどうしますか?
「食べたら太っちゃう」
「もう歯を磨いちゃったから」
「今は夕食前だからやめておこうっと」
と理由をつけて、大人は我慢するかもしれませんね。でも子供たちはそんなことはありません。大人から「今はやめなさい」と言われない限り、我慢できずに食べてしまうでしょう。
親になって、慎重になり、ガードが固くなり、ピリピリしている私たち。いつのまにか、幸せや楽しみを先延ばしするクセがついてしまっています。もっと、今やるべきこと、今やりたいことに目を向けていくと、日々のストレスが緩和され、「あ~幸せだな」を感じる回数が増えていくのは間違いありません。ぜひ、今を生きる先生である子供たちから、その術を拝借していきましょう。
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