バリエーションモデル4台の中でも最も町乗りに適した仕様 MT-03
先日ヤマハのMT-25(エムティーツーファイブ)という車輌のインプレッションを掲載しました。このモデルは2014年に発売されたYZF-R25というレーシーな見た目のスポーツバイクをネイキッド仕様にしたバイクです。
日本国内では250cc以下の排気量のバイクに関しては車検がないため、250ccのYZF-R25が販売されていますが、海外向けには320ccエンジンを搭載したYZF-R3として販売されています。つまりYZF-R25はYZF-R3の排気量を意図的に下げたモデルと言えます。
そして、YZF-R25の発売から4ヵ月後の2015年4月20日にグローバルモデルとして各国で販売されていたYZF-R3の販売が日本国内でも開始されました。今回試乗インプレッションをお届けするのはグローバルモデルYZF-R3をネイキッドに仕立てた車輌MT-03(エムティーゼロスリー)です。
海外ではYZF-R3とMT-03の二本立てとなりますが、日本国内ではYZF-R3、YZF-R25、MT-03、MT-25の四台の車輌が販売されることになりました。
ヤマハは中長期的な経営戦略の中でバリエーションモデルを広く展開していくことを名言しているため、ユーザーの選択肢を増やすというのはヤマハの計画通りという事になります。
MT-25のインプレッションを公開した際にYZF-R25と似通いすぎているというコメントを残しました。MT-03も特徴がYZF-R3と似ているため、今回はハンドルを交換してみました。もちろんインプレッションに関してはいつも通り都内の通勤で一週間しっかり試乗したうえでお届けします。
MT-03はABSはなし
MT-03のベース車輌となっているYZF-R3はABSが装着されているモデルですが、MT-03にはABSが装着されていません。またYZF-R25にはABS付モデルとABSが装着されていないモデルがありますが、MT-25やMT-03には装着されているバリエーションモデルがありません。
装備をシンプルにして価格を下げる狙いがあったのかもしれませんが、特にエントリーユーザーにとってはABSは装着されていた方が安心です。YZF-R25も当初はABS装着モデルはリリースされていませんでしたので、今後両モデルにABS装着モデルが登場する可能性は高いでしょう。
装備面ではMT-25のインプレッションの時にも書かせていただきましたが、YZF-R25/3シリーズとMT-25/03シリーズは特徴が似すぎている印象があります。見た目は大きく変わっていますが、エンジンや駆動系のセッティングや足回りのセッティングはほとんどが共通で、ハンドルポジションもYZF-R25/3がセパレートハンドル、MT25/03はバーハンドルですが、YZF-R25/3のセパレートハンドルはポジションに余裕があり、MT-25/03は比較的ポジションが広くて、低いハンドルを採用しています。
セパハンにしては楽なハンドルポジションのYZF-R25/3とバーハンドルにしては前傾なポジションのMT-25/03はポジションの面においても極端に違うことはありません。
もちろん、1cm単位でもポジションが変われば大きく操舵の感覚が変わってきますので、MT-25/03のハンドルポジションが町乗り向きなのは間違いがありません。しかし、YZF-R25/03でも町乗り用途は楽にこなせてしまうのです。
では、次ページからMT-03の詳しいインプレッションをお届けします。