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ヤマハ トリッカー試乗インプレ 超軽量で街乗りに最適

ヤマハのトリッカーを一週間都内の通勤で試乗してインプレッションをお届けします。タンク容量7Lは少なめですが燃費はどうなのか?トライアルバイクのイメージが強いバイクですが街乗りは快適に走ることができるのか?きっちり検証してみました。

相京 雅行

執筆者:相京 雅行

バイクガイド

ヤマハ・トリッカーはトライアルバイクに最も近い市販車

 
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ヤマハトリッカーはセロー・XT250Xの二台とメインフレーム、エンジンを共通としている兄弟バイクの一台です。

セローがオフロードバイク、XT250Xがモタード(オフロードバイクにオンロードタイヤを装着した街乗り要素が強いバイク)であるのに対して、トリッカーはトライアルバイクの要素が加わったバイクです。

トライアルとは高低差や傾斜のきついコースを足をつかないで走り抜けることができるかを競う競技です。

ほかのレースと違いスピードよりもバイクのコントロールが重要視されるため、排気量は小さめで必要な装備以外はすべて外した超軽量マシンが使用されます。

トリッカーを見てみると必要最低限の装備しか装着されておらずトライアルバイクをイメージさせる一台ですが装備が最低限なので実際に街乗りで使った際の使い勝手が気になるところです。

トリッカーの現行モデルはガソリンタンク容量が7.2Lです。ホンダの原付二種バイクPCXですら8.0Lですから250ccバイクとして、ガソリンタンク容量はかなり少なめといえます。このガソリンタンク容量で街乗りはどうなのでしょうか?

通勤では片道30キロ程度走る私が一週間都内の通勤でトリッカーに試乗して、使い勝手をインプレッションしたいと思います。
   

トリッカーの装備は必要最低限に絞られている

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トリッカー フロントビュー

前述したとおりトライアルバイクは可能な限り軽量化が施されたバイクです。もちろん公道走行できるバイクですからトライアルバイクほど装備は簡略化されていませんが必要最低限に絞られています。

トリッカーのヘッドライトやテールライトなどの灯火類は公道走行が可能な規定内サイズではありますが小さいものが装着されています。

通勤時は当然夜間も走行することになりますがヘッドライトは小さいわりには暗い印象はありませんでした。街灯のない田舎道を走るのでなければ特に不安はなさそうです。

トライアルバイクにはシートが装着されていないものもありますが(常にステップに立って運転操作をすることが多いため)もちろんトリッカーには装備されています。810mmと高めのシート高ではありますが、座るとスッと沈むサスペンションと細いシートの影響で足つきは非常に良い印象です。

シートのクッション性はあまり期待できません。都内の1時間程度の通勤であれば大した問題ではありませんが、もともとガソリンタンク容量も小さく長距離走行を想定していないこともあり、長時間座ればお尻が痛くなりそうです。

タイヤはトリッカー専用のブロックパターンが採用されており、オフロード走行も可能としていますが、特殊な構造を採用するなどしてオンロード走行時にもゴツゴツとしたブロックパターンタイヤの感触があまりありません。
 

トリッカーに乗るとバイクの運転がうまくなったような感覚に!

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トリッカー サイドビュー


セローやXT250Xと共通の空冷4ストローク単気筒249ccエンジンは、低中速トルクがしっかりとあって最高出力18ps/7500rpmを出力します。最高出力は突出したスペックではないものの、250ccではトップクラスの軽量ボディ(車両重量125kg)の影響もあるため鋭い加速を体感することができます。

トリッカーとセローはエンジンが共通ですが二次減速比(ファイナルギア)の設定が違います。細かい説明は省きますが、二次減速比の数値は大きければ大きいほど加速重視、小さければ小さいほど高速重視ということになります。

トリッカーの二次減速比は3.000、セローは3.200なのでセローの方が加速重視セッティングということなりますが車両重量がセローよりも5kg軽量であることやタイヤのサイズが違うことなどが影響し、セローよりも元気に加速する印象が残りました。

またクラス最軽量ボディは加速・減速だけでなく、旋回性にも良い影響を与えています。

バイクは速度が出ていない時の方が車体のバランスが崩れやすく、極低速時のUターンの時などに転倒してしまうことがあり苦手意識がある人もいらっしゃいます。

私も大排気量の広報車でUターンする際には結構気を使ったりするのですがトリッカーを運転する際には心配ご無用。低速時のトルクがしっかりとあるエンジンなのでエンストしずらく、小回りが必要な旋回時には自分がうまくなったのでは?と勘違いしてしまうほどあっさり旋回することができます。

また、トリッカーの燃費は決して悪くはありません。一度ガソリンを満タンにした後に燃費を計測してみたのですが、燃料警告灯がついたのはトリップメーターが155kmを刺した時でした。

その後給油して燃費を計算してみると32km/L。ギリギリまで走れば計算上230.4キロ走れる計算になります。ガソリンタンク容量は小さいものの走行距離150kmぐらいまではガソリン切れの心配なく走ることができるため街乗り・通勤バイクとしては問題なく活躍できそうです。
 

トリッカーはロングツーリング以外はすべてOKのマルチな一台

 
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トリッカー リアビュー

とにかく扱いやすさの面でいえば今まで試乗したバイクの中でも突出した一台です。軽量なボディはバイクを降りて押し引きする際にも楽なので、どこに出かけるにもすっと飛び乗り出かけることができます。

ハンドルは広めではありますが、車体がとても細いので駐輪場に駐車する際にも気を使いません。

またトリッカーは2004年に発売されて以来、絶対的な人気はないものの一定の人気を保っており、中古車市場でもかなりの台数がでまわっています。

2008年に燃料供給方式がインジェクションになり最大出力こそ21psから18psに下がってしまったものの、燃料タンク容量は6Lから7.2Lになったため、中古車を探すのであれば2008年式以降のインジェクションモデルが扱いも楽なのでオススメです。

トリッカーはトライアルバイクのイメージが強いので、荒れた道を走ったら楽しそうですが、とにかく扱いやすいため町中を走っても楽しく走行することができます。

ジャックナイフやウイリーなど派手なスタントやオフロード走行をしない方であっても、通勤、通学やちょっと出かける際などにもおすすめしたい一台です。
 

トリッカーちょっとカスタムするなら

 

 セロー250とXT250Xは共通のリアキャリアを装着することができますが、トリッカーは専用のリアキャリアが必要になります。

トリッカー用キャリアは耐荷重も低いのでリアボックスを装着するのには適していませんが、左右にグラブバーが溶接されているのでタンデムの際にも使うことができます。

荷物を積むのにシートとリアキャリアを使えば積載量もかなり増やすことができそうです。

 

トリッカーの最大の長所は車体が軽量であることですが、更に軽量化しようとしても車体の構成部品は最低限です。

そこでオススメなのがバッテリーをリチウムイオンバッテリーに変更してしまうこと。鉛のバッテリーに比べて遥かに軽量なのでバッテリーが寿命になってしまった際にはオススメです。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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