一般的な日本人の食事では大腸がんのリスクは小さい

ハム・ソーセージ

日本人の平均的な摂取の範囲ならば問題ありません

「加工肉を毎日食べた場合、50gごとに18%大腸がんにかかる可能性が上昇する」「赤肉(※)は人に対して恐らく発がん性がある」とWHO(世界保健機関)が発表しました。今回の調査のもとになった全世界地域の論文における赤肉摂取量の範囲は、おおむね一日50~100gで、中には200g以上にわたる非常に高い地域もあったようです。では、日本人は通常どれくらいの肉を摂取しているのでしょう?

2013年の国民健康・栄養調査によると、日本人の加工肉・赤肉の摂取量は、加工肉は13g、赤肉は50gで、世界的に見て最も摂取量の低い国の一つとされています。国立がん研究センターも、「大腸がんの発生に関して、日本人の平均的な摂取の範囲であれば赤肉や加工肉がリスクに与える影響は無いか、あっても、小さい」と声明を出しています。

欧米の研究だけに基づく情報の場合には、日本人ではリスクやその意味合いが変わる可能性があります。日本人の場合には、極端に肉類を制限する必要はありません。過度の心配は不要です。

※赤肉とは、牛肉や豚肉、羊肉などの哺乳類の肉を指します。

肉や魚を食べないと摂れない栄養分も

肉には良質なたんぱく質やビタミンB、鉄、亜鉛など私たちの健康維持に有用な成分がたくさん含まれています。肉や魚から摂る栄養分が不足すると、鉄欠乏性貧血など体調不良をきたす可能性があるため、適度な肉類の摂取は必要といえるでしょう。

もちろん、加工肉・赤肉と大腸がんに関する日本人の科学的証拠がそれほど明確ではないものの、過剰すぎる摂取は大腸がんのリスクを上げる可能性があります。2007年の世界がん研究基金(WCRF)と米国がん研究協会(AICR)による報告書では、赤肉の摂取を週に500g未満とするように推奨しています。平均的な肉類の摂取は欧米より少ないとはいえ、戦後の摂取量の増加とともに大腸がんが増加傾向にあるのは事実です。

大腸がん予防のための生活習慣

ジョギング

がん予防には運動が効果的です

国立がん研究センターが発表している科学的根拠に基づくがん予防法「日本人のためのがん予防法」では、食事要因については「塩蔵品を控えること」「野菜・果物不足にならないこと」「熱い飲食物をとらないこと」が推奨されています。

またリスクを減らす方法として運動が有効とされています。生活習慣を変えることで、大腸がんのリスクを60~80%下げることができるというデータもあります。がんの予防のためには、適度な運動や食生活の改善をこころがけるといいでしょう。

早期発見のためには大腸検査を!

がんには予防も大切ですが、予防してもがんができることがあるのも事実です。大腸がんは近年増加傾向にありますが、早期の段階で発見されれば、ほぼ100%近い治癒率があります。40歳を過ぎれば「がん年齢」。自覚症状がなくても、大腸内視鏡検査などの大腸検査を定期的に受けるようにしたほうがいいでしょう。

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