アドバイス1 教育資金と老後資金の準備が重なる
家計については、当然ですが、毎月14万円の養育費が大きな負担になっています。その中でどう見直していくかですが、手を付けられるものとして趣味娯楽費と家族のこづかいがあります。この2つが合計で計9万円。厳しいようですが、これを5万~6万円に抑えたい。節約だけの生活はススメられませんが、ここを抑えていかないと貯蓄ペースは上がりません。今は我慢の時期と考え、工夫をしながら、支出減を目指してください。
また、貯蓄を優先する理由として、ご主人となる方の年齢があります。46歳で、今後お子さんも希望しているとなると、教育資金と老後資金の準備が時期的に重なってきます。さらに、住宅購入も考えているのであれば、かなり貯蓄ペースを上げていかないといけません。そう考えると、今日から節約を心掛けてほしいと思います。
アドバイス2 保険は保障のみ、貯蓄は貯蓄商品で
もうひとつ、保険も気になります。ご相談者のももさんは、終身保険に加入したいとのことですが、家計の優先順位を考えれば不要だと考えます。終身保険は掛け捨てではありませんが、その分、保険料が割高となります。しかも、保険そのものにコストがかかるため、支払っている保険料の全額が増やすため(解約返戻金など)に使われているわけではありません。ましてや、資金として流動性も低く、予定利率も総じて高くありません。現状の家計を考えれば、必要な死亡保障は保険料が割安な定期タイプで確保すべきでしょう。保険は保障のみと割り切って、貯蓄はあくまで貯蓄商品で貯めていくことが効率的です。
実際の加入は、お子さんが生まれてから。死亡保障は持ち家でないことを考慮すると、ご主人となる方が死亡保障2000万円、ももさんは働かれている場合であれば1000万円の死亡保障を少なくとも確保する。保険期間10年の定期保険か同程度の保障となる収入保障保険でも構いません。
また、お2人で新たにがん保険の加入も希望されていますが、すでにともに医療保険に加入していて、がん特約まで付けています。がんにはそれなりに備えているわけです。がん家系である、あるいは精神的にどうしても不安で仕方がないというのでなければ、あえて加入する必要はないと思います。
あと、ご主人となる方が、前妻が引き取られているお子さん2人を被保険者とする終身保険の保険料を支払われています。これは、離婚時の条件となっているのでしょうか。もし、そうでなければ解約ないし払済み保険にされて、できる限り保険料の支出は抑えていくべきでしょう。
アドバイス3 65歳まで働くことが老後対策
ただし、家計の見直しだけではどうしても限界があります。そのためにも、ももさんの収入を得ることがかなり重要になってきます。今後、パートで働き、10万円前後の収入を予定しているとのことですので、実際にそうなれば、家計改善はかなり進みます。今後、お子さんが生まれても、パート収入の少なくとも半分は貯蓄に回せるはず。幸い、男性の方のボーナスの支給額が大きいので、節約をすればそこから年間100万円の貯蓄は可能。合わせれば、年間160万円、5年間で800万円貯められるわけです。
先に言いましたように、教育資金と老後資金の準備がほぼ同時となります。少なくとも、このくらいのペースを貯蓄の目安としましょう。また、状況によっては、9年後には養育費の支払いも終わるとのこと。そこで気持ちを緩めず、しっかり貯蓄ペースを上げていくこともポイントです。
また、ももさんが働く場合、できれば厚生年金に加入できる勤務先であることが望ましい。短期間でも厚生年金の加入実績を作ることで、手にする公的年金の額が違ってきます。加えて、お2人とも65歳まで働いて、より長く収入のある期間を保っていく。こういったことが、結局は老後対策となっていきます。
教えてくれたのは……
深野 康彦さん
取材・文/清水京武 イラスト/モリナガ・ヨウ
●同じような悩みはコチラにまとめています。
【マネープランクリニック】貯金ゼロ~50万円以下のお金悩み相談
【関連記事をチェック】
40歳共働き、貯蓄10万円。長男の学費が捻出できません
中国で働く42歳、貯蓄6000万円。帰国後のお金に悩む
36歳毎月10万円の赤字。貯蓄ほぼ0円で親からの借金も
40歳で出産。もう1人欲しいが教育費と老後資金が不安
新婚で貯蓄80万円。お金を貯めたいが33歳夫に散財癖が