投資信託/注目の投資信託の最新情報

毎月分配型で相次ぐ分配金の引下げ…その理由は?

現在、日本の追加型株式投資信託の約3本に1本は毎月分配型です。毎月分配型投信は、超低金利下において定期的に分配金を受け取ることができる金融商品として人気を集めてきました。2000年代後半には、通貨選択型やオプション内蔵型などの高水準の分配金を売りにするファンドも増えましたが、足元ではこうしたファンドで分配金の引下げが相次いでいます。

篠田 尚子

執筆者:篠田 尚子

投資信託ガイド

  • Comment Page Icon

高金利通貨が大苦戦

分配方針にも目を配ること

分配方針にも目を配ること

通貨選択型投信などが実質的に投資している高金利通貨は、昨年後半から調整が入り、苦戦を強いられてきました。中でもブラジル・レアルは、ブラジルの景気低迷の長期化と財政悪化に資源価格の下落も重なり、対米ドル、対円ともに大きく下落しました。かつて好成績の源泉であった高金利通貨が、現在は基準価額を押し下げる要因の1つとなってしまっています。

この結果、足元9月1日から10月13日までに決算を行なった追加型の毎月分配型投信のうち、実に30本近い銘柄が1万口あたりの分配金を50円以上引下げました。引下げの対象となったのは、やはり豪ドル、ブラジル・レアル、トルコ・リラなどの高金利通貨で運用を行う通貨選択型が中心でした。

2015年9~10月に50円以上分配金を引下げた毎月分配型投信の例

2015年9~10月に50円以上分配金を引下げた毎月分配型投信の例



分配金の引下げが示唆することとは?

分配金は、ファンドの純資産と一緒に管理されています。つまり、分配金を支払うとその分だけ基準価額は下がります。運用成績が振るわないにも関わらず更に分配を続けると、基準価額は下落し続けることになります。分配金が順調に支払われていても、基準価額がじりじりと下がり続けていては元本が目減りする一方です。足元で運用会社各社が分配金の見直しに踏み切った背景には、相場の地合いの悪化に加えて、分配金を純資産に留保することで基準価額の回復を促す意味があったとみられます。

分配金の引下げは、そもそも毎月の分配金は本当に必要なのか、高水準の分配に期待するあまり過度なリスクを取っていないか等、様々なメッセージを示唆しています。投資方針だけでなく、分配方針にも目を配ることが重要です。
【編集部からのお知らせ】
・「家計」について、アンケート(2024/4/30まで)を実施中です!

※抽選で30名にAmazonギフト券1000円分プレゼント
※謝礼付きの限定アンケートやモニター企画に参加が可能になります
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます