高金利通貨が大苦戦
分配方針にも目を配ること
この結果、足元9月1日から10月13日までに決算を行なった追加型の毎月分配型投信のうち、実に30本近い銘柄が1万口あたりの分配金を50円以上引下げました。引下げの対象となったのは、やはり豪ドル、ブラジル・レアル、トルコ・リラなどの高金利通貨で運用を行う通貨選択型が中心でした。
分配金の引下げが示唆することとは?
分配金は、ファンドの純資産と一緒に管理されています。つまり、分配金を支払うとその分だけ基準価額は下がります。運用成績が振るわないにも関わらず更に分配を続けると、基準価額は下落し続けることになります。分配金が順調に支払われていても、基準価額がじりじりと下がり続けていては元本が目減りする一方です。足元で運用会社各社が分配金の見直しに踏み切った背景には、相場の地合いの悪化に加えて、分配金を純資産に留保することで基準価額の回復を促す意味があったとみられます。分配金の引下げは、そもそも毎月の分配金は本当に必要なのか、高水準の分配に期待するあまり過度なリスクを取っていないか等、様々なメッセージを示唆しています。投資方針だけでなく、分配方針にも目を配ることが重要です。