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秋の鎌倉観光!紅葉も絶景も楽しめる一日モデルコース

東京から電車で1時間、気軽に出かけられる観光地として人気の古都・鎌倉で、紅葉と絶景を楽しむ一日モデルコースをご紹介します。鎌倉一の紅葉の名所といわれるスポット「獅子舞の谷」や鎌倉で唯一、紅葉のライトアップを行っている長谷寺にも行ってみましょう!

森川 天喜

執筆者:森川 天喜

国内旅行ガイド

紅葉と絶景 秋の鎌倉で大満足の一日を!

東京から電車で1時間、気軽に出かけられる観光地として人気の古都・鎌倉で、紅葉と絶景を楽しむ一日モデルコースをご紹介します。
北鎌倉の円覚寺境内の紅葉

北鎌倉の円覚寺境内の紅葉


鎌倉一の紅葉の名所といわれるスポット「獅子舞の谷」へ行ったり、鎌倉で唯一、紅葉のライトアップを行っている長谷寺にも出かけてみましょう!
鎌倉観光イラストマップ(出典:鎌倉紀行)

鎌倉観光イラストマップ(出典:鎌倉紀行)


なお、鎌倉の紅葉は色づきが遅く、多くの場所で、例年、11月下旬~12月上旬頃に最盛期をむかえます。

また、本記事中では、ハイキングコースを紹介しておりますが、2019年9月末現在、鎌倉のハイキングコースは台風15号の影響で通行止めになっています。詳しくは、下記リンク先の鎌倉市ホームページの情報をご覧ください。

台風15号の影響に伴うハイキングコースの状況について
 

北鎌倉を代表する紅葉の名所・円覚寺へ

今回の紅葉散歩コースのスタートは、鎌倉観光の玄関口、JR横須賀線の「北鎌倉」駅。

北鎌倉駅の下りホーム(逗子・久里浜方面)の先頭にある簡易改札口を出ると、目の前には鎌倉五山第二位の円覚寺の総門があります。この総門付近の紅葉も見事に色付きます。
円覚寺総門前の紅葉(2014年11月27日撮影)

円覚寺総門前の紅葉(2014年11月27日撮影)


鎌倉五山というのは、鎌倉・室町時代に時の幕府によって付与された禅寺(臨済宗)の格付け制度。京都には京都五山があり、鎌倉には鎌倉五山があります。円覚寺は鎌倉五山の二位ですから、かなり格式の高いお寺ということになります。

総門をくぐり、境内に歩を進めると、まず目の前に現れるのが大きな山門(三門)。
 
円覚寺山門と紅葉。雨の日のしっとりとした紅葉も美しい(2003年11月30日撮影)

円覚寺山門と紅葉。雨の日のしっとりとした紅葉も美しい(2003年11月30日撮影)


明治時代の文豪・夏目漱石の小説『門』の中に登場することでも知られるこの門は、ずっしりとしながらも全体として均整がとれ美しく、数多い鎌倉の寺院の門の中でも傑作といえるのではないでしょうか。

広い円覚寺の境内で、とくに紅葉がきれいなのが、この山門の周辺と境内奥の妙香池のあたり。
円覚寺境内の「選仏場」と紅葉(2007年12月1日撮影)

円覚寺境内の「選仏場」と紅葉(2007年12月1日撮影)


山門の近くには、「選仏場」と呼ばれる茅葺き屋根の古いお堂があります。古い建物と紅葉が組み合わさると、とても良い雰囲気になりますね。
円覚寺境内の妙香池周辺の紅葉(2007年12月1日撮影)

円覚寺境内の妙香池周辺の紅葉(2007年12月1日撮影)


境内を奥に進んだ妙香池周辺は、紅葉、黄葉が織りなす美の世界。まるで極楽浄土のようです。

<DATA>
■円覚寺
住所:鎌倉市山ノ内409
アクセス:JR「北鎌倉駅」徒歩1分
地図 → 拝観案内・アクセス
ホームページ → 臨済宗 大本山円覚寺ホームページ
 

鎌倉五山第一位・建長寺から鎌倉アルプスへ

円覚寺の境内を出たら、横須賀線の線路に沿って左のほうへ歩いて行きます。途中、「アジサイ寺」として知られる明月院への小道が左手に分かれ、そのすぐ先で鎌倉街道(県道21号線)と合流します。これを左折し、500mほど歩いて行くと、建長寺の門前に出ます。

建長寺の境内には、山門、仏殿、法堂(はっとう)などの大きな建物が建ち並んでいます。
建長寺境内の「半僧坊道」周辺の紅葉(2009年11月29日撮影)

建長寺境内の「半僧坊道」周辺の紅葉(2009年11月29日撮影)


建長寺の境内はかなり広いですが、紅葉がきれいなのは境内奥のほうです。裏山の中腹に、「半僧坊(はんそうぼう)」という建長寺の鎮守がまつられていますが、この半僧坊へと続く「半僧坊道」周辺が、紅葉がもっともきれいに色付く場所です。

半僧坊へは、境内の一番奥から、およそ200段の石段を登ります。火防、厄除け等、様々なご利益があるとされますので、しっかりとお参りしておきましょう。
半僧坊への石段(2009年11月29日撮影)

半僧坊への石段(2009年11月29日撮影)


石段は半僧坊から上へもさらに続いており、登っていくと、鎌倉北部の山の尾根伝いに整備された、天園(てんえん)ハイキングコース(別名・鎌倉アルプス)に合流します。

天園ハイキングコースとの合流地点に設置されているのが、「勝上けん(しょうじょうけん)展望台(海抜145.1m)」です。さあ、どうでしょう!
「勝上けん展望台」より。建長寺の大伽藍が小さく見える(2009年11月29日撮影)

「勝上けん展望台」より。建長寺の大伽藍が小さく見える(2009年11月29日撮影)


あんなにも大きな建長寺の建物が、眼下に小さく見えます。そして、その先には、鎌倉の市街地や海も見えます。

絶景を充分に楽しんだら、このままハイキングコースを「天園・瑞泉寺」方面へと歩いて行きましょう。

<DATA>
■建長寺
住所:鎌倉市山ノ内8
アクセス:JR「北鎌倉駅」徒歩15分
地図 → アクセス
ホームページ → 大本山 巨福山 建長寺ホームページ
 

絶景を楽しみ、天園休憩所で一休み

先ほどの「勝上けん展望台」からの眺めも素晴らしかったですが、天園ハイキングコースは、この先にも何ヶ所か絶景ポイントがあります。

まず、「勝上けん展望台」から5分ほどの場所にあるのが、「鎌倉十王岩の展望」というスポット。目印としては、道脇に「かながわの景勝50選 鎌倉十王岩の展望」と刻まれた石碑がおいてあります。
「鎌倉十王岩の展望」。海にむかって、若宮大路が一直線に!

「鎌倉十王岩の展望」。海にむかって、若宮大路が一直線に!


石碑の後ろの大きな岩に登ってみると、この場所がちょうど鶴岡八幡宮の裏手にあたるために、鶴岡八幡宮前から海に向かって、まっすぐに伸びる若宮大路がはっきりと見えます。

ちなみに、かなり風化が進んではいるものの、「十王岩」の名前の由来となった、地獄の「十王」のうちの三体が岩に彫られているのが分かります。左から如意輪観音、血盆地蔵、閻魔大王だそうです。
風化が進んでいるものの如意輪観音、血盆地蔵、閻魔大王が岩に彫られているのが分かる

風化が進んでいるものの如意輪観音、血盆地蔵、閻魔大王が岩に彫られているのが分かる


十王岩からさらに30分ほど歩くと到着するのが、大平山(おおひらやま)山頂(標高159.2m)。天園ハイキングコース(鎌倉アルプス)の最高峰であるとともに、鎌倉市内で最も標高が高いポイントになります。
大平山の岩場

大平山の岩場


大平山は、あまり眺めがいいとはいえませんが、ちょっとした岩場を下らなければならず、これが意外と楽しい!

大平山を後に、5分ほど歩けば「天園休憩所」に到着します。私ははじめてここに来たときに「天園」を「天国」と読み間違えていて、天国ってどんな場所なのだろうと、ワクワクしたのを覚えています。
天園休憩所

天園休憩所


「天園休憩所」では飲み物のほか、焼きおにぎりやおでんなどが売られているので、一息つきましょう。天国とまではいかないまでも、ハイカーにとってのオアシスのような場所ですね。
 

鎌倉一の紅葉の名所といわれる獅子舞の谷へ

天園休憩所の少し先には、見晴らしの良い岩場があります。天園の別名は「六国峠」。武蔵、相模、上総、下総、伊豆、駿河の六国が見えるからだそうです。秋から冬にかけての晴れた日は、伊豆半島や富士山も見えます。
天園(六国峠)より。周囲の山々も秋色に

天園(六国峠)より。周囲の山々も秋色に


そして、目を下のほうに向けると、近くの山の一部が美しい黄色に染まっている場所があります。あの場所が、次に目指す「獅子舞の谷」。鎌倉一の紅葉の名所といわれる場所です。
山の一部分が黄色く染まっている。目指す「獅子舞の谷」だ!

山の一部分が黄色く染まっている。目指す「獅子舞の谷」だ!


獅子舞の谷へは、天園ハイキングコースの本道から分かれ、やや狭い道を下っていきます。

「獅子舞の谷」という名前の由来は、うずくまった獅子に似た形をした奇岩が、そこかしこに点在することから。時折、銀杏の実が上から降ってきて、岩にあたると「ポンッ」という不思議な音を立て、あたりには、銀杏の臭気が漂います。
獅子舞の谷の紅葉と銀杏(2015年12月9日撮影)

獅子舞の谷の紅葉と銀杏(2015年12月9日撮影)


うまくタイミングが合えば、上を見上げれば燃えるような紅葉、下を見れば、あたり一面に銀杏の葉の黄色い絨毯が広がるという、まるで桃源郷にでも迷い込んだかのような世界を体験できます。ちなみに、銀杏の葉の絨毯ができやすいのは、強めの風が吹いた翌日です。

さて、獅子舞の谷から山道をくだって、街へ戻りましょう。途中、二階堂川源流の沢沿いの道を歩くので、滑らないように注意してください。

<DATA>
■獅子舞の谷
アクセス:JR鎌倉駅よりバス大塔宮行 「大塔宮」下車、徒歩40分
地図 → 獅子舞谷(楽しい鎌倉)
 

鎌倉で唯一の紅葉ライトアップ

今日の締めくくりは、紅葉ライトアップを見に長谷寺に向かいます。山を下りたら、まずは、鎌倉宮(大塔宮)を目指して歩いて行きます。

鎌倉宮前から鎌倉駅行きのバスが出ているので、バスで鎌倉駅へ移動。さらに、鎌倉駅からは、江ノ電に乗って長谷駅へ移動します。(鎌倉駅から長谷までは徒歩でも30分弱。バスも出ています)
電飾された江ノ電のホーム

電飾された江ノ電のホーム


長谷は、人気の観光名所である長谷寺や鎌倉大仏の門前町。通り沿いには、土産物屋や飲食店、老舗旅館、伝統工芸品の店などが軒を連ね、そぞろ歩きをするだけでも楽しめます。

長谷寺は、言い伝えによれば奈良時代の創建という、鎌倉でも有数の古い歴史を持つ寺。また、本尊の十一面観音像は、高さ9.18mもあり、歴史のある木造の仏像としては日本最大級とされます。

さて、日没とともに、いよいよライトアップがはじまります。
長谷寺の紅葉ライトアップ(2016年12月8日撮影)

長谷寺の紅葉ライトアップ(2016年12月8日撮影)


京都では、あちこちのお寺で行われ、すっかりお馴染みの紅葉の夜間ライトアップですが、鎌倉では今のところ長谷寺で行われているのみ。ほかのお寺や神社でもやってくれないかなと思いますが、なかなか難しいのでしょうか。
長谷寺の紅葉ライトアップ(2016年12月8日撮影)

長谷寺の紅葉ライトアップ(2016年12月8日撮影)


11月も下旬となると、夕方はさすがに寒いですね。もし、体が冷えてしまったら、江ノ電で長谷駅から2駅目の稲村ヶ崎駅の近くに、『稲村ヶ崎温泉』という天然温泉に入れる施設があるので、温泉に浸かって、体をゆったり温めてから家路につくのもおすすめですよ。

<DATA>
■長谷寺(長谷観音)
住所:鎌倉市長谷3-11-2
アクセス:江ノ電長谷駅より徒歩5分
地図 → アクセス
ホームページ → 鎌倉 長谷寺ホームページ
※三脚の使用はできません
※ライトアップは例年、11月下旬~12月10日前後に行われます。詳細は公式サイトでご確認ください
 

今回のコース周辺の、そのほかのおすすめ紅葉スポット

もし、時間に余裕があれば、今回歩いたコースにプラスして、もう何ヶ所か紅葉の名所に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

【明月院】
「アジサイ寺」として有名な北鎌倉の明月院ですが、秋の境内もとてもきれい。紅葉の時期には、ふだんは非公開の本堂後庭園も公開します。
明月院本堂の円窓ごしに、後庭園の紅葉を眺める(2015年12月9日撮影)

明月院本堂の円窓ごしに、後庭園の紅葉を眺める(2015年12月9日撮影)


<DATA>
■明月院
住所:鎌倉市山ノ内189
アクセス:JR「北鎌倉駅」徒歩10分
地図 → GoogleMap
参考ページ → 鎌倉紀行 明月院

【覚園寺】
覚園寺は、まさに鎌倉の紅葉の穴場。紅葉の本数は鎌倉有数だと思います。紅葉のほか、曙杉(メタセコイア)の大木も見事に色付きます。

境内に陽の差す午前中に訪れれば、より一層美しい紅葉を楽しめます。
鎌倉の紅葉穴場スポット、覚園寺(2008年11月29日撮影)

鎌倉の紅葉穴場スポット、覚園寺(2008年11月29日撮影)


なお、覚園寺では、拝観受付所から先は、毎日数回、案内人と一緒に約50分かけて境内を一周するツアー形式の拝観スタイルをとっています。拝観ツアーの受付時間については、下記リンク先をご確認ください。

<DATA>
■覚園寺
住所:鎌倉市二階堂421
アクセス:JR「鎌倉駅東口」4番のりばから京急バス「大塔宮」行き「大塔宮」下車徒歩10分
地図 → GoogleMap
参考ページ → 鎌倉紀行 覚園寺

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