水換えを始める前に、周辺器具のコンセントを必ず抜いてください。ヒーターやサーモスタットのコンセントを抜かずに空気中に露出させてしまうと、異常加熱による器具の故障や最悪火災を招いてしまう恐れがあります。
ろ過器も水位が下がったまま稼動させておくと、モーターに余計な負荷がかかり寿命の低下、故障の原因に繋がります。
飼育水に汚れが舞い散るので、水を抜く前に済ませておきます。藻類(コケ)などが付いている場合には、スポンジなどを利用して丁寧に掃除しましょう。その際、ガラスの接合部分がシリコンで接着されている水槽もありますので、その部分はシリコンが剥がれないように丁寧に取り扱ってください。乱雑に扱うと、水漏れの原因に繋がります。
時間の経過と共に、底床内部には汚れが蓄積されていきます。上水を交換するだけではこの汚れを排出できないので、換水毎にローテーションを組んで、数回の換水で底面全体をクリーニングするように心掛けてください。
底床内に汚れが蓄積されると、そこを温床に飼育水にも汚染が広がります。換水をおこなっても亜硝酸や硝酸塩濃度が高い。コケが大量発生する。魚の調子が今ひとつ優れない。などの症状がある場合、底床が極端に汚れていることが多々あります。
水換えの度に行うものではありませんが、定期的にろ材の洗浄も必要です。ろ過器のタイプや飼育スタイルに拠っても異なりますが、概ね3ヶ月に一度位のペースでおこないます。
ここで注意しなくてはならないのが、ろ過器は水槽の心臓部といっても過言ではなく、魚を健康的に飼育する上で最も重要な部分です。当然、そこに定着するバクテリアには、細心の注意を払わなくてはなりません。
徹底的に綺麗にする必要はなく、バケツなどにろ材を移し、ざっと排水ですすぐ程度に留めておきます。
また、ろ材の洗浄はバクテリアに与えるダメージが大きいので、水換えとは同時におこなわない、もしくは普段よりも極少量の水換えに止めるなどの注意が必要です。
交換用の水を用意します。飼育水の水温とほぼ同じになるように、給湯器などを利用して水温を調整します。飼育水と交換用の水に交互に手を入れ、ざっと同じ程度の水温であれば問題ありません。
水温が3℃程度異なるだけでも、魚にとっては大きなストレスです。白点病の引き金とならないよう、極端な水温変化には気をつけてください。
塩素中和剤を規定量添加してから、底砂を掻き回さないようにそっと水を注ぎいれます。規定の水位まで水を注いだら、周辺器具をコンセントにつなぎます。
蓋が汚れてくると光を遮り、水槽が薄暗く感じてしまいます。また、水草の育成にも支障をきたすので、常に清潔に保つようにしてください。
縁がある水槽では、知らず知らずその部分に、餌の残りが溜まりやすいものです。そのまま放置すると、カビやダニの発生原因となったり、ゴキブリが餌を求めてやってきたりします。換水のついでに、餌の残りが付着していないか確認し、汚れているようであれば掃除しておきます。
仕上げにガラス外側をガラスクリーナーを使用して拭き取り、ヒーター、ポンプの作動を確認して完了です。電源を入れ忘れてしまい、水温の低下やろ過器が長時間停止したことによる水質の悪化などの事故は、意外と多く聞かれる失敗です。くれぐれもご注意を!