硝酸塩の蓄積による弊害には、硝酸塩が強い酸性を示すことから、徐々にpH値が下がり、多くの熱帯魚が好む中性~弱酸性の水質から遠のいてしまうことが挙げられます。その他にも藻類(こけ)の発生を招いたり、魚の生理機能に影響を与えストレスによる病気が発生することも考えうる弊害です。

このストレスが曲者で、水槽内で魚が病気に罹ってしまう原因の大半を占めるといっても過言ではありません。そのためにも、定期的に水換えを行い、魚にとってストレスのない環境を維持することが重要となってくるのです。

たまに低いpH値を好む魚を飼育している人で、水換えをしないことに拠り低pHを維持している方を見かけますが、根本的に、硝酸塩に起因しておこるそれと、ピート(泥炭)などの有機物によるpHの低下では、その本質が異なります。やはり、過度の硝酸塩の蓄積は有害ですので、余り好ましい方法とはいえません。

酸性に傾いた水を引き戻す

日本の水道水のpH値は、凡そpH7.0~8.0の間であるため、水換えを行うことによって、下がってしまったpH値を引き戻す効果がみこめます。この点で注意しなくてはいけないのが、水道水のpH値と水槽のpH値があまりにもかけ離れてしまった場合、水換えによって水質が急変してしまうこです。

定期的な換水を実行していれば、極端にpHが下がることもありませんが、前回の換水から期間があいてしまった場合は注意が必要です。このことからも、大量に水換えするのは好ましくなく、前回述べたとおり水量に対して1/4~1/3の量。多くても1/2程度に収めておかなければなりません。

また、pH値を測定するための各種キットも発売されていますので、定期的に水槽のpH値を把握しておくことも重要です。

pH測定試薬 デジタルペーハーメーター
▲pH測定試薬 ▲デジタルpHメーター

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水質の管理

よって、水換えの目的は、蓄積してしまった硝酸塩の排出とpH値を保持することになります。これを疎かにすれば、藻類(コケ)が繁茂して美観を損ねるだけでなく、魚の状態まで悪くなってしまいます。水換えを怠りがちな水槽では、例え病気の症状が出ていなくても、魚の肌が荒れてきたり、餌食いが悪くなったりします。これは、病気の前兆になります。

古くなって不必要なものが溜まった飼育水と、汚れていない新しい水道水と部分的に交換しリフレッシュしてください。水道水には、各種ミネラルも含まれているので、換水によってそれらを補給することにも繋がります。

ここで注意しなくてはならないのが、汚れきってしまう前の段階、つまり魚に害がでてから水換えをするのではなく、問題が起こる前に、常に魚が健康でいられる状態を維持することです。そのためには、定期的な換水が必要になってくるのです。

水換えの量は、各水槽の状況によっても変わってきますので、一般例を参考に自分の管理する水槽の換水パターンを見極めるようにしてください。良く解らないうちは、前述のペースと量を実行すれば、特に問題はないでしょう。

では、次回は具体的な水換えの手順と注意点について解説していきます。



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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。