疲労回復法/効果的な疲労回復法

骨盤を立てて猫背・腰痛を予防する3個のコツ

腰痛や肩こり、疲れやすいなど不調を抱える多くの人には、骨盤の歪みがみられます。これを改善することができると、身体が楽になり姿勢の改善や関節痛の予防にも効果アリ。今回はなかなか意識することが難しい「骨盤を立てるコツ」をご紹介しましょう!

檜垣 暁子

執筆者:檜垣 暁子

カイロプラクティック理学士 / 肩こり・腰痛ガイド

骨盤の傾き度合いは健康のバロメータ

写真1undefined骨盤には本来、背骨の自然なカーブに合った傾きがあります

【写真1】骨盤には本来、背骨の自然なカーブに合った傾きがあります

腰痛や肩こり、ひざ痛といった様々な体の不調に共通してみられるのは骨盤の傾きです。背骨の土台ともなる骨盤は、もともと傾きがあるのですが、その傾きが前傾したり後傾したりと本来のバランスが崩れてしまうと、身体中の関節や筋肉に負担が生じて、関節痛や筋肉痛、筋肉の張りとなって表れます。

これらを解決するためには、異常に傾いてしまった骨盤を元に戻す意識が必要。それが「骨盤を立てる」といった表現になります。

 

何気ない生活習慣が骨盤の歪みをつくる

少々大袈裟に傾きをつくっていますが、骨盤には本来、背骨の自然なカーブに合った傾きがあります

【写真2】少々大袈裟に傾きをつくっていますが、骨盤が後傾すると腰椎の前方へのカーブが減少してしまいます

写真1のように、背骨が生理的なカーブを維持できる骨盤の傾きがあれば正常なのですが、大きく前方へ傾いたり、後方へ傾いたり、左右の骨盤の骨の位置が前後にねじれ、高さに左右差が出ている場合は不調の原因となります。

写真2のように後方へ傾きやすいケースは、例えばソファに浅く腰掛け背もたれに寄りかかるような姿勢です。また、デスクワークで画面に顔を近づけ、前傾姿勢になりがちな場合も要注意です。

 

骨盤が前傾すると腰椎の前方カーブが増し、腰が反ったようにみえることがあります

【写真3】骨盤が前傾すると腰椎の前方カーブが増し、腰が反ったようにみえることがあります

写真3のように前方へ骨盤が傾くケースでは、見た目上いわゆる「反り腰」になっている場合が多いです。意識的に姿勢を良くしようと胸を張りすぎたり、腰を反らせすぎたりと無理のある姿勢をとる機会が多いと前方へ骨盤が傾いていきます。また、ハイヒールを履くことがきっかけで、骨盤に影響する人もいます。

 

大切なのは骨盤を立てる意識を持つこと

日頃から骨盤を立て身体への負担を少なく過ごすことは、生活習慣にも直結するためなかなか難しいかもしれません。ですが、1日の生活を送る中でも、骨盤を立てる意識を持つ時間を数回設けて、傾いてしまった土台を戻しリセットできれば、身体のあちこちの筋肉疲労・姿勢悪化・腰痛・肩こり・膝痛などの予防になるはず。毎日の健康維持にもつながりますので、次にご紹介するエクササイズや座るコツを早速実践してみましょう。


その1 骨盤を立てる意識を持つ

この姿勢での骨盤は安定しやすく腰部が楽に感じる人が多いです

この姿勢での骨盤は安定しやすく腰部が楽に感じる人が多いです

【両ひざを床につけてみる】
「骨盤を立ててみて!」と言われてもピンとこない人が多いかと思います。何を基準に立てればよいのかもわかりませんよね? 背すじを伸ばして正座をした場合や両膝を直角に曲げて床に着け股関節・上半身が床に対して垂直である姿勢になると骨盤は立てやすくなります。

 

異常に傾いてしまった骨盤を立てやすくするポーズです

異常に傾いてしまった骨盤を立てやすくするポーズです

【正座と腕伸ばしでコツをつかむ】
写真のように正座をしてオヘソは正面向きに、そして両手を天井へ向けて伸びをしてみましょう。この時、骨盤は自然と立つことが多いです。伸びをしながら深呼吸を3回して脱力しましょう。骨盤をきちんと立てることができた後は、姿勢の保持が楽に感じます。

 

その2 骨盤を立てて椅子に座るコツ

骨盤を立てるコツが身に付くまで骨盤に手を当てて確認しましょう

骨盤を立てるコツが身に付くまで骨盤に手を当てて確認しましょう

【初めは骨盤に手を当ててみる】
椅子に座るといつのまにか力を抜いた「背がまるくなる」「猫背」といった姿勢になりがちだと思います。座っている間、姿勢をビシっと正しておくことは通常では難しいので、座り姿勢の合間合間で骨盤を立てる意識をしてみましょう。

 

骨盤が後傾していると指先が前方へ向きます

骨盤が後傾していると指先が前方へ向きます

【座った時の指先の向きを確認する】
起立した状態で、左右の骨盤から脚の付け根外側にあるボコっと出っ張った骨(大転子)にかけてそれぞれ手を添えます。ポイントは、指先を真下へ向けること。そのまま椅子に座ってみましょう。

 

骨盤が前傾すると指先が後方へ向きます

骨盤が前傾すると指先が後方へ向きます

指先の向きが次のように変化した場合は、骨盤が立っていません。骨盤の異常な傾きが生じたという目安になりますので、指先が真下へ向くように座り直してください。どうしても座りにくい、違和感があるという人は早速以下のエクササイズを試してみましょう。

 

その3 骨盤を立てやすくするエクササイズ

顔はうつむかないように注意して肩甲骨付近を伸ばしましょう

顔はうつむかないように注意して肩甲骨付近を伸ばしましょう

【背を一直線にするイメージを】
左ひざを立てて座り、左ひざに右胸を引き寄せるポーズをとります。この時、右ひじを左ひざにかけて右の肩甲骨付近を伸ばしながら、おへそを左ふともも前面へ押し付けるイメージで2回深呼吸をします。(腰・背はまるめず一直線になります)同様に反対側も行います。

 

前方から写した同じポーズです

前方から写した同じポーズです


 

この座り方は腰が丸くなりがちですがあえて背を一直線にするイメージで

この座り方は腰が丸くなりがちですがあえて背を一直線にするイメージで

【両ひざを抱えながら深呼吸】
両ひざを曲げて座り直し、両腕で両ひざを抱え込みます。この時、おへそをフトモモ前面へ押し当てるようにして、背を一直線にした状態で2回深呼吸です。いったん脱力したら、同様にあと2回行いましょう。

 

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