マンション管理士試験/マンション管理士の試験・勉強法

マン管試験頻出テーマの攻略法「不法行為」(2ページ目)

マンション管理士試験の民法から例年のように出題されるのが不法行為です。管理会社の社員による不法行為が発生した際には管理会社の使用者責任を問うことができるなど実務にも関連するので、とても重要なテーマの一つと言えます。

村上 智史

執筆者:村上 智史

マンション管理士ガイド


平成26年度マンション管理士試験に挑戦!

【問  題】
甲マンションの付属施設である立体駐車場において、A運転の自動車がAの運転操作ミスによって駐車場設備を破損したため、甲マンションの管理者Bは駐車場設備の修理費につき損害賠償請求しようとしている。この場合における次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定ならびに判例によれば正しいものはどれか。

1 事故時にAが18歳の高校生であり、友人の自動車で無免許運転をしていた場合、Bは、Aの両親であるCおよびDに損害賠償請求をすることができるが、Aに損害賠償請求をすることはできない。

2 事故時にAが勤務先であるE社所有の自動車を使用で運転していた場合、Bは、Aに損害賠償請求をするが、E社に損害賠償請求をすることはできない。

3 BがAに損害賠償請求をするに当たり、訴訟の追行を弁護士に委任した場合には、相当な修理費に加え、相当な弁護士費用を併せて請求することができる。

4 BがAに対して相当な修理費について損害賠償請求をする場合、当該債務は損害賠償を請求した時から履行遅滞になり、これに対する損害賠償を請求した日の翌日から年5分の割合による遅延損害金を併せて請求することができる。

【解説・解答】
1 誤り 18歳の高校生には責任能力があると判断できるため、不法行為に伴う損害賠償を請求できます。

2 誤り いわゆる使用者責任に該当するので、被害者は加害者の使用者である勤務先にも賠償請求することができます。

3 正しい 不法行為に関する訴訟追行に伴う弁護士費用についても相当と認められる金額の範囲内であれば損害に含まれるとの判例があります。 

4 誤り 不法行為に基づく損害賠償債務は何ら催告を要さず、損害(不法行為)の発生と同時に履行遅滞に陥るものと解するのが相当との判例があります。

したがって、正解は【3】となります。

いかがでしょうか。特に初学者にとって民法の論点をマスターするのは思っている以上に時間がかかります。基本書を早めにマスターして受験対策に臨むことをお奨めします。

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