鶴太郎、画業のきっかけは「椿」
黒の壁面からグレーへと冬のコーナーが展開されます。書「冬」に投影される映像は、「椿」。「椿」は、鶴太郎さんの絵を描き始めたきっかけのモチーフ。
「雪椿(2008年)絹本着色」に目がいきます。画面では、柔らかく筆の腹で描く「椿」と「雪」。見入ってしまいます。
コーナーは、「冬」から「春」へ。
壁面が、冬のグレーから春のピンクへと変化しています。
書「春」と「桃の花、菜の花(2001年)紙本着色」。春の書にちりゆく桜が投影され、春の香りを演出しています。「白梅(2013年)紙本着色」。華やかな春の景色が切り取られています。
会場を右奥へと進みます。壁面には鶴太郎さんの制作風景や春にちなんだ作品が展示されています。
書「夏」と、あの鳥類戯画を思わせる「引喜蛙(2011年)紙本」。
繊細な筆使いと墨の濃淡とぼかしで蛙を描いています。ひとつひとつの描き方の違いをみると面白い。
中央のカウンターにはガラスの花器や皿が展示され、波紋、花火など季節を映し出す幻想的な映像と音響が作品と一体になる演出となっています。
正面壁には、書「四季彩花」。この壁の奥が、今回の展覧会の為に書き下ろした大作「四季彩花」。
次のページは、絵と映像が一体となる作品、本展覧会の見せ場、です。