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視聴率は各局惨敗?夏ドラマで光った渋系俳優たち(2ページ目)

今年の夏ドラマのキーワードは「低視聴率」?確かに視聴率的にはいまひとつのドラマが多かったものの、視聴者の心に爪痕を残した”渋系俳優”たちもしっかり存在していました。今回は舞台出身、個性的な演技でドラマに深みを与えた”渋系俳優”たちをピックアップしていきましょう!

上村 由紀子

執筆者:上村 由紀子

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『エイジハラスメント』 吹越満

総合商社を舞台に、数々の企業内”ハラスメント”をちょっと皮肉な目線で描いたテレビ朝日系列の『エイジハラスメント』。「五寸釘ぶち込んだろか」が決め台詞の新入社員・吉井英美里(武井咲)が配属された総務部や社内には風間壮夫、竹中直人、大倉孝二、吹越満、英美里の父には浅野和之と、こちらにも舞台出身の”渋系俳優”が多数出演。

中でも印象に残ったのは、総務部・浅野次長役の吹越満。「なぁーんちゃって」を最後につけることで逃げ道を作りながらハラスメント発言を連発し、最後まで小ずるく立ち回る昭和のオジサンを熱演しました。

15年間所属したWAHAHA本舗を退団後は、英国の鬼才演出家、サイモン・マクバーニーの舞台『エレファント・バニッシュ』や松尾スズキ、野田秀樹作品にも積極的に参加し、映像では『あまちゃん』の菅原保役、『警視庁捜査一課9係』の青柳警部補役などでお馴染み。深夜に流れるミニ番組『全力坂』ではナレーションも担当しています。


『民王』 高橋一生

オンエアの時間帯が23時を過ぎることから視聴率は振るわなかったものの、ストーリー展開や小ネタ満載の構成で、視聴者の満足度ランキングでは常に上位に食い込み、続編も期待されているのが池井戸潤氏原作の『民王』(テレビ朝日系列)。

『民王』出演の舞台系俳優と言えば、政界の首領・城山役の西田敏行、人情派官房長官・カリヤンこと狩屋役の金田明夫、関西弁の政治評論家・小中役の六角精児、公安・新田役の山内圭哉、キッチンやみくもマスター役の原金太郎とこちらも盛り沢山なのですが、”今後の渋系俳優”として推したいのが、武藤泰山(遠藤賢一)の公設第一秘書・貝原役の高橋一生。

え、高橋一生って舞台出身なの?と驚く方もいるかもしれませんが、彼のデビューは1991年のミュージカル『レ・ミゼラブル』少年・ガブローシュ役。その後も扉座の『フォーティンブラス』や劇団、本谷有希子の『ファイナルファンタジックスーパーノーフラット』、新国立劇場『エネミイ』、シアタートラム『マーキュリー・ファー』など、小劇場系からプロデュース公演まで質の高い舞台にコンスタントに立ち続けています。

『民王』では、メトロノームが刻むリズムを愛し、泰山の息子・翔(菅田将暉)の漢字の読めなさ加減に小声で「……馬鹿なの?」とツッコむ、マイペース&愛すべき毒舌キャラを好演。役によってその色味をガラっと変える佇まいは、未来の”渋系俳優”として大いに期待したいところ。

舞台の現場で腕を磨き、映像でも活躍する”渋系俳優”たち。秋スタートのドラマでは誰がどんな演技を見せてくれるのか……注目です!
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