鎌倉・江ノ島の観光・旅行/鎌倉・江ノ島 季節(春夏秋冬)の観光

北鎌倉のお寺と花を巡るゆるり散歩&いち押しランチ(3ページ目)

心地よい風に吹かれ、花々に彩られた北鎌倉散歩へ。野草が花開く円覚寺松嶺院、リンドウやジュウガツザクラ咲く東慶寺などをめぐる、花旅コースをご紹介します。散策後は、北鎌倉駅近く「鈴や」でアジフライのランチはいかが? 一度食べたら忘れられないサクサクのアジフライ、ぜひご賞味くださいね。

村田 江里子

執筆者:村田 江里子

鎌倉・江ノ島ガイド

東慶寺~リンドウやジュウガツザクラ咲く「花の寺」

円覚寺の門を出て徒歩5分ほどで、東慶寺へ到着します。趣ある茅葺きの山門へと階段を登って。10月中ごろなら、両脇にリンドウの青い花が咲いているかもしれません。鎌倉市の花はリンドウ。今は自生しているものはほとんどみられなくなりましたが、こうして社寺で育てられたお花に出会うことができます。
リンドウの花

奥ゆかしいたたずまいのリンドウの花


拝観料を払って、境内へ。10月ごろなら、ホトトギスやシュウメイギク、秋の七草のひとつ・フジバカマの花が咲いているかもしれません。

本堂にお参りしましょう。屋根の面が頂点の一点で集まる、端正な宝形(ほうぎょう)造りの屋根のお堂に、ご本尊のお釈迦さまがまつられています。秋なら、お庭にピンクの金平糖のようなヒメツルソバの花。
東慶寺の本堂

本堂でご本尊にお参りを


本堂の前に戻ったら、すぐ向かいの足元に、色とりどりのノブドウの実がなっていることでしょう。実は緑から紫、紺へと色が変化し、まるで宝石のよう。きれいですが、食用にはならないそう。鎌倉の山にも自生している植物なんですよ。
ノブドウの実

色とりどりの宝石のようなノブドウの実


宝蔵(有料)で、歴史の趣漂う展示を拝見するのもいいですね。毎年2月ごろには、普段は公開されていない、優美な姿の水月観音様が展示されます。坂を登っていきます。花壇が尽きる、井戸の辺りには、ジュウガツザクラが。10月ごろ、楚々と咲くサクラです。
ジュウガツザクラの花

秋に楚々と咲くジュウガツザクラ


右手の斜面は、6月、イワタバコの薄紫色の星形の花が一面に咲くところ。少し登って、右手の階段を上がっていきます。右手に、やぐらと呼ばれる横穴が2つ並んでいます。左側正面にあるのは、このお寺を開いた覚山尼(かくざんに)のお墓。東慶寺は、「縁切り寺」「駆込み寺」とも呼ばれています。かつて日本では、夫婦がつらい仲にあっても、夫が許さなければ離婚をすることができませんでした。鎌倉幕府8代執権の北条時宗が落髪した折、夫人も尼となり、夫亡き後、東慶寺を建てました。ここで24か月在寺すれば、離縁が認められるという決まりをつくったのです。多くの女性を救ってきた東慶寺。今は、ほっと心癒される「花の寺」となっています。

奥の階段を上っていきましょう。岩についたコケに木漏れ日が差し、しっとりと落ち着いた静かな空間。墓地には、岩波文庫の創始者や哲学者、文学者など、多くの著名な方々が眠っています。

心ゆくまで境内の風景を味わったら、東慶寺を後にしましょう。

<DATA>
■東慶寺
住所:鎌倉市山ノ内1367
TEL:0467-33-5100
ホームページ:http://www.tokeiji.com/


一足伸ばして…浄智寺へも

10月ごろなら、シュウメイギクの美しい浄智寺に立ち寄るのもいいですね。

■浄智寺ガイド記事:http://allabout.co.jp/gm/gc/446689/
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