夜の繁華街にのみこまれた子どもを探し出すのは至難の業
半年前には小学生だった子どもたちです。子どもを犯罪から守るために、私たち大人は何ができるのでしょうか。
親に期待しない
子どもが事件に巻き込まれると、子どもの親はいったい何をしていたんだ、と、親たちの責任を問う声が聞こえてきます。しかし、わが子の死に対し、自分を責めている親にはとても酷なことですし、そうではない親には響きません。各都道府県の青少年保護育成条例では、18歳未満の子どもを深夜(午後11時~翌日午前4時)に外出させないよう、親には努力義務が課せられています。今後は、保護者への罰則も議論されていくことでしょう。しかし、罰則規定ができて子どもの深夜外出を制限できる親は、現時点でも制限できているようにも思います。
子どもが事件に巻き込まれて、自分を責めている親は「止めたくても止められなかった」のかもしれません。子どもは「親の目を盗んで」外出しますので、気づかなかったのかもしれません。子どもに関心を向けられないほど、生活が大変だったのかもしれません。
そうではない親は、そもそも子どもを育てる能力に欠けていたのかもしれません。子どもの深夜外出にも無関心、といったネグレクト(養育放棄)が背景にあったなら、周囲が気づいて、子どもを保護する必要がありました。
他人事だと思わない
わが子が知らない間に夜間外出して犯罪に巻き込まれたら、と考えると、ほとんどの親は不安を感じると思います。うちは門限を厳しくしているから大丈夫。そんなふうに思いたくもなりますよね。でも、筆者は、中学時代、親の目を盗んで深夜に外出したことが何度かあります。家でも学校でも特に何の問題も起こさない「普通の生徒」で、家は厳しい方でしたが。バレなかったので、親は(今も)知りません。一緒に遊んだのも「普通の生徒」でしたから、こっそり夜中に外出した経験のある人は、意外と多いのかもしれません。それを思うと、親の責任を強化するより、子どもの深夜外出を見つけた(他人である)大人ができることを考えるほうが現実的な気がするのです。
>> では、具体的に、私たちは何ができるのでしょうか。