スキューバダイビング/ダイビングアイテムの選び方

水中マスクの選び方は?レンズなど注意すべきこと3選

「マスク(水中マスク)」の正しい選び方を知ることは、ダイビングやスノーケリングを楽しむうえで、絶対に欠かせません。どんなマスクを選び、どのように使うかによって、水中での快適度は大きく変わります。レンズやフィット感など、自分に合ったものを!

鴫谷 隆

執筆者:鴫谷 隆

海洋環境問題・スキューバダイビングガイド

 

水中マスクの選び方! 水中マスクはなぜ必要なの?

水中マスクの選び方

水中マスクの選び方



水の中で目を開けたことがある人ならわかると思いますが、水中では焦点が合わずにボンヤリとしか物が見えません。人は、光が空気から角膜に入る際に空気と角膜の屈折率の違いによって生まれる「角膜の屈折力」によって物を見ることができるため、角膜に水が直に接してしまうと角膜の屈折力が働かず、はっきりと物を見ることができないのです。そのため、ダイビングやスノーケリングで水中を楽しむには、マスクを使用することで目の前に空気の層を作り、視界を確保する必要があります。

「それなら水泳用のゴーグルでもいいのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、大きな違いは「マスクには鼻を入れるノーズポケットがついている」ということ。それにより、マスクの中に入った水を排出する「マスククリア」と、水深が深くなるとともにマスク内の空間にかかる圧力を解消する「マスクブロー」(マスクの圧平衡)を可能にしています。水泳用のゴーグルでは内部に息を送り込むことができず、それらを行なうことができないため、ダイビングに使用することはできません。

●レンズ
1眼、2眼、多眼などタイプはさまざま。目の悪い人は2眼タイプのマスクに度つきのレンズ(オプチカルレンズ)を装着することで、水中でも快適な視界を確保することができます。最近ではUVカット効果のあるレンズを用意しているメーカーもあります。

●フレーム
色も形も千差万別。どれを選ぶかによって、見た目の印象は大きく異なります。ウエットスーツやBCDなど、ほかの器材とのカラーコーディネイトも考えて選ぶことがおすすめです。

●ストラップ
長さを調節することで、マスクを顔にフィットさせることができます。髪の毛が長い人は絡まりやすいので、ストラップカバーなどを利用すると便利です。

●バックル
ストラップの長さを調節するところ。塩や砂をかみやすく、壊れてしまうとストラップの長さが調節できなくなってしまうので、使い終わった後は念入りに洗いましょう。

●ノーズポケット
きちんと鼻が収まることが大切。マスクをつけた状態で「上からしっかりと鼻がつまめるか」、「スカートの鼻の部分が口元に当たって痛くないか」などをチェック!

●スカート
顔に当たる部分がスカート。最近ではシリコン素材のものが多く、ゴム素材に比べて顔への当たりもソフト。メーカーにより形状にさまざまな工夫が施されています。
 

水中マスクを選ぶときは「フィット感」を最も重視したい

マスクは顔にフィットすることが大切。ぴったりフィットしていないと、水中でマスク内に水が入ってきたり、痛みや不快感を感じる原因となります。マスクを選ぶときは、いくつかのマスクを実際に顔につけてみて、つけ心地のいいものを選ぶようにしましょう。メーカーによって、顔に跡がつきにくいようにスカートの形状を工夫していたり、日本人の顔の特長に合わせた形状でフィット感を高めるなどの工夫をしているところも。マスクが顔にフィットするかを確かめるには、ストラップをつけずに顔にマスクを当て、鼻で息を軽く吸ってみます。マスクがピタッと顔につき、そのまま手を離しても顔からマスクが落ちなければ、フィットしている証拠です。

【確認の手順】
1)ストラップをつけずに、マスクを顔に当てます。
2)スカートが顔に接しているところに痛みや違和感がないかを確認。
3)マスクを顔に当てたまま、鼻で軽く息を吸い込み、手を放します。
4)顔からマスクが落ちなければOK。顔を上下や左右に軽く振ってみてもいいでしょう。
 

水中マスクは「デザイン」も選び方のポイントに

マスクのデザインによって、顔の印象や視界の広さは変わってきます。マスクを選ぶ際には、実際に顔につけてみたところを鏡で確かめて、いちばん似合うものを選ぶのがおすすめ。ウエットスーツなど他の器材とのカラーバランスで選ぶのも手です。

例えば、暖色系と寒色系のマスクを比べた場合、クリアピンクやパールピンクなどの淡い暖色系は、顔の印象を柔らかく見せてくれますし、オレンジやイエローなど蛍光の暖色系は、活発な印象を与え、水中でもよく目立ちます。それに対し、ブルーやパープルなどの寒色系のマスクは、顔をシャープに見せてくれますが、寒色系の色は水中で吸収されやすいので、目立ちにくく、写真うつりにはあまり優れていません。

また、スカートの色によっても違いがあり、スカート部が透明なマスクは、光がマスクの内部まで届きやすいので、明るい視界が確保されており、顔の印象も明るくなります。一方、スカート部にブラックシリコンを使ったタイプは視界が制限されるため、慣れないうちは閉塞感を感じることもありますが、1点に集中できるため、ガイドダイバーや水中カメラマンなどに愛用者が多いようです。
 

度付きレンズの水中マスク、「1眼」と「2眼」どちらを選ぶ?

マスクには主に「1眼タイプ」と「2眼タイプ」があり、「1眼タイプ」はマスクのレンズが1枚のタイプ。表情がはっきりと見え、視界が広くて明るいといったメリットがあります。ただし、レンズを入れ変えることができないので、度付きのレンズ(オプチカルレンズ)を使用したい目の悪い人は注意が必要です。
⇒目の悪い人がダイビングを楽しむ際の注意点

一方「2眼タイプ」は、マスクのレンズが左右1枚ずつのタイプ。視力に合わせてレンズを交換することができます。1眼タイプに比べてマスク内部の容積が少ないものが多く、「マスククリアがしやすい」、「フィット感が優れている」などのメリットが。小顔の女性にも最適です。

皆さんも自分にピッタリのマスクを手に入れて、水中世界を快適に楽しんでくださいね!

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