スキューバダイビング/ダイビングアイテムの選び方

ダイビングでの、水温に適したウェットスーツの選び方!

ダイビングを楽しむうえで絶対に欠かせないのが、体を保温・保護する「ウェットスーツ」。水温に合わせ、どんなウェットスーツを選ぶかで、水中での快適度は変わってきます。3mm、5mmなど、ポイントをしっかり押さえて、自分にぴったりのウェットスーツを選びましょう!

鴫谷 隆

執筆者:鴫谷 隆

海洋環境問題・スキューバダイビングガイド

ダイビングでのウェットスーツはなぜ必要?

ダイビングでのウェットスーツ選びのポイント

水中では、陸上に比べて約20倍の速さで熱が奪われます。そのため、ウェットスーツなどの保護スーツを着用することが、快適にダイビングを楽しむために必要となります。

水中世界を楽しむうえで欠かせないのが「ウェットスーツ」。水着の上から着用する、体の保温と保護を目的としたスーツです。

水は同じ温度の空気より多くの熱を吸収するため、たとえ水温30度の海でも、しばらく潜っていると体が冷えてしまいます。ウェットスーツを着用することで、体とスーツの間に入った水が体温で温められ、それが断熱材の役割を果たし、体を保温することができるのです。

また、刺し傷や擦り傷、切り傷などから皮膚を保護する役割もあり、自分にぴったりのウェットスーツを着用することで快適にダイビングを楽しむことが可能です。
 

ウェットスーツ選びのポイント1:水温に適した生地の厚さや素材

ウェットスーツ選びでまず考慮したいのが、スーツの厚さや素材に関して。ウェットスーツには3mm、5mm、6.5mmなどの厚さのものが用意されています。厚いほうが保温性は高いのですが、厚ければいいというわけではなく、自分がダイビングを楽しむ海の水温に適したものを選ぶことがおすすめ。

例えば、暖かい南の島でしか潜らないという場合は、薄い厚さのスーツで十分ですし、厚すぎるとかえって不快に感じることも。一方、水温が低い海はウェットスーツで潜るなら厚いものがいいでしょう。

また、スーツの厚さだけでなく、素材についてもウェットスーツ選びの大切なポイント。ウェットスーツは「ゴム」、「表面の生地」、「裏面の生地」の組み合わせによって、耐久性や保温性、柔軟性などが大きく変わってきます。

例えばゴムについていうと、ウェットスーツで主に使われているのはクロロプレーンラバーのスポンジですが、この中の気泡の量と大きさによって柔らかさや伸びやすさが異なっており、耐久性や保温性を求めるなら硬めのもの、着脱のしやすさを求めるなら柔らかめのものがいいと言われています。

柔らかめのゴムは着心地がよく、軽いので、「たまの休みに浅場でのんびりダイビング」という人には、こちらがおすすめです。表面の生地や裏面の生地についても、メーカーによって保温性や耐久性、着脱性などに様々な工夫を凝らした素材を用意しているので、いろいろと比べてみて、自分の好みや目的に合ったものを選びましょう。
ウェットスーツの選び方

ウェットスーツに使われているクロロプレーンラバーのスポンジ。表と裏に生地が貼られており、その組み合わせによって保温性や耐久性、着脱のしやすさなどが異なります。

 

ウェットスーツ選びのポイント2:ワンピースとツーピース

ウェットスーツには、「ワンピース(フルスーツ)」と呼ばれるポピュラーな長袖長ズボンタイプのほか、2枚を組み合わせて着用する「ツーピース」タイプがあります。

ツーピースのメリットは、保温性が高められること。スーツが重なっている箇所の厚さが増えるため、保温性がアップします。5mmのスーツに5mmの上着を重ねれば、上半身の厚さは10mmに。より幅広い水温に対応できるようになります。

また、潜る海の水温に応じて使い分けることも可能で、例えば半袖タイプの「シーガル」に「ボレロ」を上着として組み合わせた場合、水温の高い南の島ではシーガルだけで潜り、水温の低いところではボレロも着用する、なんてことも。

ワンピースに比べて価格は高くなりますが、「ドライスーツは苦手なので、なるべく長い期間ウェットスーツで潜りたい」といった人などにおすすめです。
ウェットスーツの選び方

長袖長ズボンタイプの「ワンピース」(写真左)と、ハーフフードボレロとワンピースを組み合わせた「ツーピース」タイプ(写真右)

 

ウェットスーツ選びのポイント3:自分にぴったりのサイズを選ぶ

ウェットスーツ選びの大原則は、自分の体にぴったりと合ったものを選ぶこと。前述のとおりウェットスーツは、体とスーツの間に入った水が体温で温められ、それが断熱材の役割を果たすことで体を保温します。

スーツが緩いと、水がガバガバ入ってきて、せっかく暖めた水がすぐにスーツの外に出てしまい、保温効果は大きく減少。一方でキツ過ぎるウェットスーツも、水中で苦しくなったり、動きにくさがストレスになるなどの問題があります。

ウェットスーツには既成サイズも用意されていますが、自分の体型が既成サイズにぴったりと合わない場合は、オーダーメイドでスーツを作ることをおすすめします。オーダーメイドの場合、専用の冶具などを使って全身30ヵ所以上を採寸し、自分の体にぴったりのスーツができるため、ダイビングの快適度が大きくアップ。

厚さや素材、タイプはもちろん、後述のようにカラーやデザインも自分好みにできるので、ダイビングがより楽しくなること間違いなしです。
ウェットスーツの選び方

オーダーメイドでウェットスーツを作る場合、専用の冶具などを使い、全身30ヵ所以上を採寸するため、自分の体にぴったりとフィットした1着が作れます。

 

ウェットスーツ選びのポイント4:好みのカラーとデザインをチョイス

ウェットスーツの生地のカラーバリエーションは非常に豊富。基本的には、自分の好きな色を中心に、2つか3つの色を組み合わせるのがベストです。あまり多くの色を使い過ぎると、落ち着かなくなるので注意しましょう。

ちなみに女性に人気なのは、ピンクやブルーをメインにしたもの。ひと口にピンクやブルーといっても、濃い目の蛍光色から淡いパステル調までさまざま。最近ではカモ柄なども人気があります。濃淡を組み合わせた同系色や、白やグレーなどの中間色を取り入れてまとめると、スタイリッシュに見えます。

また、ウェットスーツは体にぴったりフィットしているため、ボディラインがはっきりと出てしまうのですが、スーツのラインとカッティングをどのように取り入れるかで、「スリムに見せる」、「足を長く見せる」など、スタイルを自由に変化させることができます。

例えば「足を長く見せたい」なら、スーツに縦長のラインを作るのが◎。足首からウエストまで体のサイドに長いラインを入れるのが一般的で、それに加えてウエストの高い位置に斜めにラインを入れると、よりシャープに足を長く見せることができます。

皆さんも自分にぴったりのウェットスーツを手に入れて、快適にダイビングを楽しんでくださいね。


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