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京都の嵐山、紅葉おすすめスポットを一日で巡るコース

見所の多い京都観光の中でも、特に人気が高いのが嵐山・嵯峨野エリア。この辺りは、古くから貴族や文人たちが都を逃れ「わび住まい」をした風流の地だけに、周囲の山々が紅葉に染まる晩秋ともなれば、その風情もひとしおです。今回は、秋に訪れたい嵐山・嵯峨野エリアのおすすめスポット5選をめぐる散歩を楽しみましょう。

森川 天喜

執筆者:森川 天喜

国内旅行ガイド

嵐山・嵯峨野の紅葉おすすめスポットを1日で! 見頃時期は?

紅葉と屋形船(嵐山)

紅葉と屋形船(嵐山)

見所の多い京都観光の中でも、特に人気が高いのが嵐山・嵯峨野エリア。この辺りは、古くから貴族や文人たちが都を逃れ「わび住まい」をした風流の地だけに、周囲の山々が紅葉に染まる晩秋ともなれば、その風情もひとしおです。

今回は、秋に訪れたい嵐山・嵯峨野エリアのおすすめスポット5選をめぐる散歩を楽しみましょう。なお、京都の紅葉は、例年、多くの場所で11月中旬から下旬頃に見頃をむかえます。

<今回のコース>
 
 

嵐山のシンボル「渡月橋」

京都市街地から嵐山・嵯峨野へ向かうには、JR山陰本線、阪急、京福(嵐電)の3路線が利用可能ですが、今回は「嵐電」で向かうことにします。
路面電車区間を走る「嵐電」

路面電車区間を走る「嵐電」


嵐電は、沿線に著名な観光名所が多く、一部区間は路面電車として走るなど車窓風景も楽しい、京都観光に欠かせない電車です。

終点の「嵐山」駅を下りたら、まずは、嵐山のシンボル「渡月橋」に向かいましょう。渡月橋までは、駅から200mほどです。

"月が渡る橋"という、いかにも風流な名前は、鎌倉時代に、橋の上の空を移動していく月を見た亀山上皇が「くまなき月の渡るに似る」と例えたことから命名されたと伝わります。
嵐山のシンボル「渡月橋」と紅葉

嵐山のシンボル「渡月橋」と紅葉


ちなみに、「嵐山」という地名については、その由来には諸説あるようですが、「紅葉が風に舞い散る様子が嵐のようだから」ともいわれています。

古(いにしえ)の風流人たちも愛した、紅葉が嵐のように舞い散る、その美しくもはかない情景をいつまでも眺めていたいものです。

<DATA>
■渡月橋
住所:京都市右京区嵯峨中之島町
アクセス:嵐電「嵐山」駅下車、徒歩約3分
地図 → 京都観光Navi
 

亀山公園展望台

次は、一般的には通称で「亀山公園」と呼ばれる「嵐山公園亀山地区」へ。渡月橋の北詰(嵐電の駅がある側)から、川の上流に向かって川岸を400mほど歩いて行くと、公園入口の石段があります。

亀山公園全体が紅葉の名所ですが、オススメなのは保津川の渓流が一望できる展望台。
 
亀山公園展望台から眺めた保津川の紅葉

亀山公園展望台から眺めた保津川の紅葉


ここからは紅葉に加え、トロッコ列車と保津川の「舟下り」の舟も眺めることができます。

<DATA>
■嵐山公園亀山地区(亀山公園)
住所:京都市右京区嵯峨亀ノ尾町
アクセス:嵐電(京福)「嵐山」駅から徒歩15分
地図 → 京都府ホームページ 嵐山公園・嵐山東公園
 

絶景と紅葉が楽しめる「大河内山荘」

亀山公園を北に抜けると、いつしか京都を代表する風景のひとつ"嵯峨野の竹林"の中を歩いているのに気付くでしょう。
嵯峨野の竹林の道

嵯峨野の竹林の道


竹林の道を50mほど行くと左手に、昭和初期の時代劇スター、大河内 傳次郎(おおこうち でんじろう 1898~1962)の別荘跡「大河内山荘」の門があります。
「大河内山荘」庭園からの眺望

「大河内山荘」庭園からの眺望


この山荘の見所は、傳次郎が64歳で亡くなるまで約30年もの歳月をかけて、こつこつと造営したという回遊式庭園。庭園の高台からは、紅葉した木々の向こうに、比叡山、大文字山、衣笠山など、京都盆地を囲む山々を一望する絶景が広がります。

山荘の入場料には、抹茶・お菓子代も含まれているので、秋深まるお庭の風情を楽しみながら、抹茶をゆったりいただき、しばし休憩しましょう。

<DATA>
■大河内山荘
住所:京都市右京区嵯峨小倉山田淵山町8
アクセス:嵐電「嵐山」駅下車、徒歩約15分
地図 → 京都観光Navi
 

洛西随一の紅葉の名所「常寂光寺」

竹林の道を抜け、トロッコ列車の線路を渡って小倉池を左に見ながら歩を進めると、小倉山の懐に抱かれるようにたたずむ「常寂光寺(じょうじゃっこうじ)」の門前に出ます。
紅葉の名所、常寂光寺の山門

紅葉の名所、常寂光寺の山門


常寂光寺は嵐山・嵯峨野周辺で、どこか紅葉の名所を1ヶ所挙げて欲しいといわれたら、まずおすすめしたい洛西随一の紅葉の名所。藤原定家が草庵「時雨亭」を構え、『小倉百人一首』を編んだ旧跡としても知られます。
紅葉の時期は、混雑覚悟で!

紅葉の時期は、混雑覚悟で!


仏の世界である「常寂光土」に由来するという寺の名前さながらに、秋の深まりとともに、赤、黄、橙と様々な色合いに染まる境内の木々の美しさは、"この世"のものとは思えないほど。ただし、その分、混雑も覚悟してお出かけください!

<DATA>
■常寂光寺
住所:京都市右京区嵯峨小倉山小倉町3
アクセス:嵐電(京福)「嵐山」駅より徒歩約20分
地図 → 常寂光寺 交通アクセス
 

見応えのある紅葉ライトアップ「宝厳院」

最後は、日暮れとともにライトアップがオススメのお寺へ。

京都では紅葉の季節には、あちこちでライトアップが行われますが、嵐山・嵯峨野エリアのみならず、京都全体の中で見てもオススメ度の高いライトアップが行われるのが、「天龍寺」の塔頭(たっちゅう)である「宝厳院(ほうごんいん)」。
「宝厳院(ほうごんいん)」の紅葉ライトアップ

「宝厳院(ほうごんいん)」の紅葉ライトアップ


嵐山を借景とする回遊式庭園 「獅子吼(ししく)の庭」が夜間特別公開され、庭園の中を歩きながら楽しむ紅葉は、かなり見応えがあります。

宝厳院は、嵐電の「嵐山」駅と亀山公園の間に位置します。

2018年の宝厳院ライトアップ実施期間
11月9月(金)~12月2日(日) 17:30~20:30(受付終了20:15)

<DATA>
■宝厳院
住所:京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町36
アクセス:嵐電(京福)「嵐山」駅より徒歩約3分
地図 → 宝厳院 交通アクセス
 

嵐山周辺のその他の紅葉オススメスポット

嵐山・嵯峨野には、他にもたくさんの紅葉オススメスポットがあります。上で紹介したコースに組み合わせることで、より充実した秋の散歩をお楽しみください。

【紅葉の穴場「化野念仏寺」】
常寂光寺から二尊院の前を過ぎ、さらに歩を進めると、いつしか道は奥嵯峨の地に。ここまで来ると観光客も少なく、とても静かになります。
化野念仏寺は、紅葉の穴場スポット

化野念仏寺は、紅葉の穴場スポット


「化野念仏寺(あだしのねんぶつじ)」のある「化野」一帯は都の外れの地。

その昔、亡くなった人々の死体置き場とされ、東の「鳥辺野」や北の「蓮台野」と同様、"風葬の地"とされていました。化野念仏寺境内にまつられている8000体もの石仏や石塔は、この地に葬られた人々のお墓なのだそうです。

そんな話を聞くと、鮮やかに色づいた紅葉も、もしかすると亡くなった人々の血の色がにじんでいるのでは?と思えてきます。

嵐山の駅からだいぶ距離があり、ここまで足を運ぶ人はそう多くなく、ゆったりと秋を感じる紅葉の穴場スポットとしてオススメします。

<DATA>
■化野念仏寺
住所:京都市右京区嵯峨鳥居本化野町17
アクセス:嵐電(京福)「嵐山」駅より徒歩約30分
地図 → 化野念仏寺 アクセス

【北嵯峨の竹林に包まれて「直指庵」】
嵐山・嵯峨野の他の観光名所からは少し距離がありますが、「直指庵(じきしあん)」も、ぜひ立ち寄って欲しいお寺。「旧嵯峨御所」の別名でも知られる大覚寺の裏手にあるお寺です。
北嵯峨の竹林に囲まれた、小さなお寺「直指庵」

北嵯峨の竹林に囲まれた、小さなお寺「直指庵」


直指庵は、中国から「インゲン豆」を日本にもたらしたとされる隠元(いんげん)禅師に禅を学んだ独照(どくしょう)禅師が江戸時代に開創し、かつてはかなり大きな寺院だったそうですが、現在はこじんまりとしたお寺になっています。

境内は嵯峨で最も北に位置する竹林に囲まれており、北嵯峨の静かな風情とともに紅葉を楽しむことができます。

<DATA>
■直指庵
住所:京都市右京区北嵯峨北ノ段町3番地
アクセス:「大覚寺」バス停から、徒歩約15分
地図 → 直指庵 アクセス

【トロッコ列車と保津川の川下り】
渡月橋が架かる大堰川(おおいがわ)は、流域によって名前を変え、川下りで有名な保津川は大堰川の上流にあたります。保津川沿いに広がる自然豊かな「保津峡」は、桜、新緑、そして紅葉と、四季折々に異なる風情を見せてくれます。
 
保津川の川下り

保津川の川下り


嵐山から上流の亀岡まで「トロッコ列車」に乗り、帰りは保津川の「舟下り」で、峡谷を赤く染める紅葉を楽しみながら渡月橋のたもとまで帰ってくる観光プランもおすすめです。

トロッコ列車と保津川下り

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