中日のユニホームを最後に現役生活にピリオド
最年長2000本安打を記録した「中年の星」が引退することに。
プロ19年目の今年は6月に史上最年長で通算2000安打を達成。スタメン出場は減ったとはいえ、まだまだ打撃の衰えを感じさせなかった。しかし、球団から水面下で来季の戦力構想から外れている旨を伝えられ、中日のユニホームを最後に現役生活にピリオドを打つ決心を固めた。
「(現役引退?)そうなると思います。気持ちの変化とかはとくにないです。やることは一緒ですからね」
淡々とながら、今シーズンいっぱい、全力でプレーすることを誓った。
30歳でレギュラー、最年長2000安打を記録した「中年の星」
岐阜出身の和田は、1996年ドラフト4位で西武に入団。捕手から外野手へ転向し、30歳でようやくレギュラーの座をつかむと、2005年に首位打者を獲得した。2007年にFA(フリーエージェント)で子供の頃からの憧れであった中日に移籍。当時監督だった落合博満GMの打撃理論を吸収し、技術をさらに向上させた。35歳の2007年から4年連続150安打以上を放ち、38歳の2010年には自身最多の171安打をマーク、MVPに輝いた。そして、今年6月11日のロッテ戦(QVCマリン)で、史上最年長となる42歳11カ月で通算2000安打を達成した。寄る年波に逆らうように輝き続ける姿は、中年ファンはもとより、多くの野球ファンに感動を与えた。
ただ、40代に入ってから、豪快なスイングを支えていた両ヒザが悲鳴を上げた。昨年11月、右ヒザを手術。今季は試合後、両ヒザをぐるぐる巻きにしたアイシングは欠かせないものになっていた。
変革の時期を迎えようとしている中日
中日は大きな変革の時期を迎えようとしている。42歳の小笠原も今シーズンでの引退を発表し、40歳の川上は来季構想外といわれ、45歳の谷繁兼任監督は監督専任になることが確定。50歳の山本昌は来季現役に対して「本人に一任」(落合GM)の状態だ。ベテラン勢の一掃に近いが、和田に関しては「惜しまれながら」の言葉がぴったりくる。
ファンからも「ベンちゃん」(元NHKの看板ディレクター和田勉氏にちなんだ)の愛称で親しまれた和田。「中年の星」は静かにバットを置く。