9月7日(月)に初日を迎えた『NINAGAWA・マクベス』。市村正親さん、田中裕子さん、吉田鋼太郎さん、橋本さとしさん、柳楽優弥さんら豪華俳優陣の出演で上演されるこの秋話題の舞台です。
17年振りに蜷川幸雄の代表作が甦る
NINAGAWA・マクベス 開幕!
シアターコクーンの舞台一杯にしつらえられた巨大な「仏壇」。いつしか二人の腰のまがった老婆がゆっくり客席通路から現れ、仏壇の扉を開けるところから物語は動き出します。(提供:ホリプロ 撮影:渡部孝弘)
【マクベス あらすじ】
スコットランドの将軍・マクベスは戦での功績により、ダンカン王より新しい領地を与えられる。戦地からの帰り道、共に戦ったバンクォーと共にバーナムの森を抜けようとしたマクベスは三人の魔女から「いつかこの国の王となる」と不思議な予言を受ける。そのことを夫からの手紙で知ったマクベス夫人は、自分たちの城に泊まるダンカン王を暗殺しようと計画。マクベスはお付きの者に罪をなすりつけ、ダンカン王を亡き者にする。ダンカン王暗殺の黒幕は王子マルカムと周囲に信じさせたマクベスは即位しスコットランド王に。しかし、バンクォーが自分を疑っている事を知り、彼も暗殺してしまう。
次第に罪の意識から来る幻覚に毎夜悩まされるマクベスとマクベス夫人。その頃、南の国に逃げ延びたマルカムと有力な貴族・マクダフは、マクベスを討つ計画を着々と進めていた……。
(提供:ホリプロ 撮影:渡部孝弘)
『NINAGAWA・マクベス』の大きな特徴が、役名や台詞はシェイクスピアの戯曲から変えることなく、設定だけを日本の安土桃山時代に移しているという点。マクベス、バンクォー、ダンカン王、マクダフなど英国の名を持つ登場人物たちが鎧兜に身を包み、日本刀を使って殺陣を展開する様子は不思議でありながら非常にダイレクトに響きます。
俗に「仏壇マクベス」とも呼ばれ、蜷川幸雄氏がシェイクスピア作品の舞台を日本に置き換えて斬新な演出を見せるシリーズの一作でもある『NINAGAWA・マクベス』。1980年の初演以来、日本のみならず海外でも上演され、これまでに高い評価を受けてきました。
今回、1998年の日生劇場での上演から17年の時を経て甦った『NINAGAWA・マクベス』。市村正親さん、田中裕子さんを始めとする魅力的なキャストにより、どんな世界が仏壇の奥で繰り広げられているのでしょうか。
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