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検索力格差が経済格差を生む?弱者が這い上がる為に

「15歳の少年が、Google検索とWikipediaを駆使し、難病のガンを早期発見する画期的な方法を発明した」という話をご存知でしょうか。インターネット、そしてグーグルに代表される「検索エンジン」は、弱者が這い上がるための、強力な武器となり得ます。この武器は、ピケティ教授の理論すら覆す力を、個人に与えてくれます。

午堂 登紀雄

執筆者:午堂 登紀雄

ニューリッチへの道ガイド

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ネットがすべてを可能にします

検索が協力な武器に?

検索が協力な武器に?

「15歳の少年が、Google検索とWikipediaを駆使し、難病のガンを早期発見する画期的な方法を発明した」という話をご存知でしょうか。

2013年のことですが、かなり話題になったので覚えている人も多いと思います。それは、ざっと次のような内容でした。

――アメリカ・メリーランド州に住むジャック・アンドレイカ君は、13歳のとき、叔父のように慕っていた友人を膵臓ガンで亡くした。悲しみに暮れたジャック少年は、それをきっかけにネット検索で膵臓ガンのことを調べ始める。そして、膵臓ガンの検査は800ドル(約10万円)もかかるうえ、精度が低く、30%以上を見落としていることを知る。

ジャック少年は「もっといい方法があるはずだ」と信じ、さらに検索を続けた。

膵臓ガンを発見するには、血液中のごく少量のタンパク質の発生量を調べなければならない。そこで彼は、膵臓がんに特有のタンパク質8000種をリスト化した資料をネット上で見つける。そして彼は「この中のどれかが膵臓ガンを見つけるバイオマーカー(目印)になる」と考え、その1つひとつを検索して調べることにした。

そんな気の遠くなるような作業を続け、4000種ほどの検証を終えたころ、ようやく目印となるタンパク質を見つけた。そこから先は実際の検証実験が必要なため、彼は膵臓ガンを研究する200人の研究者を調べ、検証を依頼するメールを出した。

そのうちの199人からは断られるが、1人だけ「私のところで手助けできるかもしれない」という返事をくれた研究者がいた。そして、ジョンズ・ホプキンス大学で検証の場を得た彼は、試行錯誤の末、ついに16歳になる直前、従来より安価で精度の高い膵臓ガンの発見法を開発した。

その方法を使えば、1つの小さな検査紙で 費用は3セント(約4円)、わずか5分でテストできるという。従来の方法と比べると、168倍速く、26,000分の1以下の費用、400倍の精度で検査できることになる。そしてこの方法は、すい臓ガンだけでなく、他のガンやHIVなどにも転用が可能としている。

彼はインテルが設立するGordon E. Moore Awardを受賞し、75,000ドル(約900万円)を獲得。その他にも多数の賞を受賞し、10万ドル以上の賞金を得た。賞金は学費に使用するという――。

という話です。

このジャック・アンドレイカ君は後日、世界中の注目を集めるプレゼンイベント「TEDカンファレンス」に登壇してプレゼンを行っています。(キーワード「ジャック・アンドレイカ」で検索すればその動画が見つかります)

そのプレゼンの中で、彼が次のように語っていたのが印象的でした。

Through the Internet, anything is possible.
「ネットがすべてを可能にします」


そして彼は最後にこう締めくくります。

「ネットはふざけた写真をアップすること以外にも、もっと別の使い方がある。そしてそれは、世界を変えていけるかもしれないと気付いたんだ」
「すい臓ガンが何かすらわからなかった15歳の少年が、新しいすい臓ガンの検査法を発見できたとしたら、皆さんなら何ができるか想像してみてください」
(出典「TED日本語」)

インターネット、そしてグーグルに代表される「検索エンジン」は、弱者が這い上がるための、強力な武器となり得ます。この武器は、世界中で売れたトマ・ピケティ教授の経済書「21世紀の資本」の中で述べられている「経済格差は拡大し、富は財産を持つ上位1%に集中していく」という理論すら覆す力を、個人に与えてくれます。

「検索」を駆使することで、誰でも経済的にハッピーな人生を切り開くことができるのです。

未来予測への姿勢が今後の人生を左右する

これは個人的な考えですが、私は「未来を想像し、それに備えよう」とする意識の差が、2020年以降の私たちの生活において、大きな“差”を生むだろうと思っています。“差”というのは、経済格差のことです。アベノミクスと東京オリンピックで活況に沸いている“いま”のうちに何らかの手を打っておかないと手遅れになるかもしれない、という私自身の焦りがあります。

私が以前書いた「2030年の社会はこうなる」をご覧いただければ、私が何に焦っているか、おわかりいただけると思います。

もちろん、時代は刻々と変化し、チャンスの質・種類・幅も、個人ができることも変わるため、選択肢も対処法も刻々と変化していくと思います。未来を完璧に見通すことはできませんし、予測はあくまでも仮説に過ぎないですから、外れることもあるでしょう。だからといって「環境変化が激しく、予測してもハズレるから無意味」ということではありません。

そもそも仮説(予測)がなければ、何ごとも行き当たりばったりになってしまいます。それでは政府・企業・メディアなどが作り出した情報に振り回され、ムダにお金を失ってしまうかもしれない。

あるいは何らかの兆候が表面化して、皆が動き始めてからでは、ゴールデンウィークや盆暮正月の渋滞した高速道路のように、大衆の渦に巻き込まれて身動きがとれなくなります。

しかし意識して「先を読もう」とすれば、仮にその予測が外れても、少なくとも不利になる状況は避けられるはず。もし実際に起こったら起こったで、より自分を有利にできる可能性が高まるだろうと。

ネット上にはたくさんの宝が眠っています。
これを掘り起こす「検索」こそ、私たちの人生をより良くしてくれると考えています。

参考図書)
「グーグル検索だけでお金持ちになる方法~貧乏人が激怒する2020年のマネー戦略」
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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