「高所平気症」という現代ならではの心理
高い所の怖さを教えられない子どもは、高い所を恐れない
中高層マンションに限らず、2・3階建の住宅や、仮に平家の住宅であっても、どのような状況で子どもの転落が起きるかはわかりません。転落事故を防ぐためには、消防や建築専門家による詳細な注意事項を読むなどして、子どもが手すりをよじ登ってしまう可能性自体を限りなく低くする「物理的なアプローチ」は当然のこと、子どもに高い場所から落ちたらどうなるかの因果関係をしっかりと教え込み、自分を守るために高い場所への健全な恐怖心を持たせる「心理的なアプローチ」の両面から対策を取る必要があるでしょう。
子どもであるとは、脳も心もまだ発達途中でアンバランスであり、言い換えるなら「まだ人間として暮らすことに慣れていない」状態です。まだ小さいから、や、もう大きくなったから、という大人の常識レベルに基づいた推測は、子どもに対しては応用できないことがほとんど。それくらい子どもは大人には予期できぬ行動を取ってしまうものです。だからこそ子どもの危険対策は理屈ではなく、個々の子どもを実際に見守り観察しながら丁寧に教えていく作業が必要なのだと知り、悲劇的なアクシデントを未然に防ぎたいですね。