投資をするには問題アリな人はこんな人
先ほどはそもそも投資しなくてもいい人でしたが、今度は投資しちゃいけない人、を考えてみたいと思います。「ローンを抱えている人」……少額の借金を抱えている人、住宅ローンのような大きな借金を返済中である人は原則としてその返済を優先すべきです。確実に利息が増える借金を返すほうが運用としては効率的です。株式投資で利息以上稼げばいい、都と思う人はたいてい利息どころか元本割れの損失に焦ることになります(定年までに返せる計画的な住宅ローン返済と同時並行しての少額投資ならアリ)。
「何も勉強していない人」……なんとなく儲かりそうだから投資してみよう、というタイプはとりあえず3冊くらい本を読んでからにしてください。異なる著者の、テーマが違う本を選ぶのがポイントです。そして金額は10万円以下でスタートしてください。そうしなければカモになるばかりで、気がつけばゼロ円になるのがオチです。
「ギャンブルの延長線と考えている人」……投資をギャンブルに似たようなものだと思っているなら、その思い込みが変わるまで勉強してから投資をスタートしましょう。会社員の投資はギャンブル的に取り組むより、中長期的に定期預金より高利回りになる感覚で取り組むほうが堅実でかつ負担が軽い運用ができるようになります(←この意味が分からないうちはまだギャンブルと投資を同一視しているということです)。
「家事・育児等時間がさかれ、自由時間がほとんどゼロの人」……投資をするために毎日何時間もかける必要はありません。しかし毎日の自由時間がほとんど取れない人が投資のための時間を無理をして投資をする必要はありません。株価上昇のチャンスを逃す心配より、あせってよく分からない投資をして損失を出す心配をしてください。数年後、生活が落ち着いてから投資スタートすればいいのです。
「自分や家族が病気療養中であるの人」……病気療養している人も無理をして投資する必要はありません。投資で元本割れするリスクを抱えこむより病気と向き合う時間を作るべきです(ちなみに、骨折の入院中のヒマな時間に投資の勉強をするようなパターンは、回復が見込まれているのでアリです)。
投資は人生のメインテーマではないことをお忘れなく
普通の個人にとって、投資は人生の真ん中に置くものではありません。仕事があっての人生ですし、プライベートの時間が充実しての人生です。家族や恋人、友人と過ごす時間を削ってまで投資に励む必要はありませんし、映画をみたりのんびりお酒を飲んだりしながら、ひとりで落ち着いて過ごす時間が取れなくなるならその投資方法を見直すべきです。投資が人生を劇的に改善してくれると考えるべきではありません。投資で何億円も稼いで仕事もせずにすむ、は夢物語です。そうではなく、投資が人生の豊かさを少しアップグレードしてくれるものと考えてみてください。しかし、そのアップグレードの差が人生の幸福感をひとつ高めてくれるのであれば投資はあなたの人生にとって意味があるものになるはずです。
特に「投資しちゃいけない人」については投資をしないことも大事な人生の決断のひとつなのです。