そば/東京のそば屋

利き酒ならぬ「利き蕎麦」も愉しめる 中清(吉祥寺)

創業80年、三代目の現在の主人が、それまでの町の蕎麦屋から、勉強を重ねて手打ちの店に変えたという、吉祥寺「中清(なかせい)」。店内は昭和レトロという感じで、どこかしら懐かしい子供の頃を思い出させる。

前島 敏正

執筆者:前島 敏正

そばガイド

吉祥寺の手打ち蕎麦 中清(なかせい)

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中清玄関

吉祥寺の五日市街道を西へ500メートル、吉祥寺本町郵便局を越えて、成蹊大学を目指して少し進むとお店の前に鉢植えが並んだ「そば処 手打中清(なかせい)」が見えてくる。店構えは、一見どこにでもあるような町のお蕎麦屋さんであるが、このお店のご主人の清田治さんと川越そば育成会の小林さんが高校の同級生という縁で、今回訪問することがかなった。

創業80年(大正12年創業)、三代目の現在のご主人が、それまでの町の蕎麦屋から勉強を重ねて手打ちの店にしたという。ご主人とおもてなし名人の女将、桂子さんと二人でお店を支えている。店内は昭和レトロという感じで、何か筆者の子供の頃を思い出させる。実は「日本の居酒屋文化」の著者マイク・モラスキー教授のお気に入りのお店でもある。


酒肴四種盛

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酒肴

贅沢な酒肴四種盛は、それぞれ味がしっかりとした味噌豆腐・塩辛・鮫ナンコツ梅和えの四点。少量で日本酒が進む。特に味噌豆腐はねっとりとした食感で、塩分も強め。


豚珍感(とんちんかん)


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豚珍感

豚珍感(とんちんかん・750円)という薄切り豚カツのぽん酢和えは、ソース味とは違った美味しさが感じられる。






粗挽きせいろ

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粗挽き

お店の名物は、「あずまそば(更科)」と「さとそば(田舎)」のこだわりの二八そば。利き酒ならぬ「利き蕎麦」も愉しめ、その日の気分で蕎麦を食べ分けられる。つゆは若干甘目で私好みで蕎麦の風味を引き立たせている。

入り口の張り紙には『今日のお蕎麦は群馬県赤城深山』とある。先週は北海道摩周産、その前は常陸、その前は三芳、益子、福井、と日替わりのように提供しているんだそう。さらに、「東京で超・超粗挽き蕎麦(20メッシュと15メッシュのブレンド)の発祥は”俺んとこ”」と明言されるだけあり、ここの粗挽きはお薦めである。


そば前

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そば前

そば前も充実していて、「地酒の銘柄の数ではどこにも負けない」と胸を張るご主人。豊富な種類の地酒が裏の冷蔵庫に150本も並び、壮観だ。地酒や酒のつまみが充実しておひとりでもグループでもゆったりと楽しめる。
そば前は「十四代」と「飛露喜」、その他銘酒の数々。店内の天井近くの壁に各地の銘酒案内がズラリと並び、手元のお品書きには、メインの蕎麦よりも「酒肴」が充実している。


【店舗情報】
店名:中清 吉祥寺 (なかせい)
住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町4-4-15
TEL(予約): 0422-21-2891
交通手段:吉祥寺駅から751m
営業時間:11:00~22:00(ランチ営業、日曜営業)
定休日:基本的には無休 (第二水曜休みのこともある)

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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