37年間で集まった募金額は348億円!

地球

愛で本当に地球を救っていますか?

8月22日、23日に日本テレビ系で放送される「24時間テレビ 愛は地球を救う」。1978年から始まり、今年で38回目を数えます。もはや、夏の風物詩といってもいいくらいに、すっかりおなじみの番組ですね。

この2日間を中心に、24時間テレビチャリティー委員会という公益法人を通じて募金が集められています。1年間の募金額は、2014年は9億3千万円、2013年は15億4千万円、2012年が11億6千万円でした。1978年から2014年までの募金総額は、348億1059万2095円にのぼっています。募金は支援を求める様々な分野に寄付されてきましたが、2004年以降、福祉、環境、災害復興の3つを支援の柱に掲げて、使われています。

特に力を入れているのが福祉車両の贈呈です。37年間に渡って全国各地の福祉施設に贈呈した福祉車両は1万台を超えています。毎年車両メーカーと改良を続け、団体のニーズに合わせたオーダーメイドの車両の贈呈もされているそうです。37年間かけて培った348億円の善意が、支援という形になり、必要とされている人たちの元に届き、役立っていることがわかります。

緊急災害時の募金活動も盛ん

また、24時間テレビチャリティー委員会は年間を通して募金の呼びかけを行っており、国内外の災害時には、緊急支援として募金を募ることもあります。

2011年の東日本大震災のときには、いち早く、緊急募金を開始し、3月31日の時点で6億9042万807円という額を集めました。誰もが知っている24時間テレビというチャリティー番組への信頼があるからこそ、短期間でこれだけの額が集まったのでしょう。そう考えると、37年間もチャリティー番組を作り続けていることの成果は、募金の額以上のものがあるといえます。

ガイドは、24時間テレビが放映される2日間は、福祉や環境に関する社会の問題をより多くの人が共有し、考える日として意義が大きいと考えています。問題を知った多くの人が今できることとして、募金というアクションを起こし、よりよい社会を作りたいという意思を伝えるという効果もあるのではないでしょうか。そういった意味では、24時間テレビには、アドボカシー活動の役割もあると思うのです。

チャリティー番組に出演料が支払われるのはおかしい?

その一方で、毎年、賛否両論が渦巻く番組でもありますよね。
最も多いのは、たぶん、こんな声。
「チャリティー番組なのに、出演者にギャラが支払われるのはおかしいのでは?」
「出演者に払うお金があるなら、それを募金すればいいのに……」
「番組を作るお金を寄付すれば?」

「チャリティー番組なのだから、無償のボランティアで」という考えは、わからなくもありませんが、少々、乱暴な意見だと思います。そういった考えは受ける側から「無償で受けますよ」と申し出があるか、主催者側が「ボランティアでお願いします」と依頼してそれを承諾するかして、初めて成立するものです。他人が「~すべき」と押しつけるような話ではありません。

人気の芸能人を起用することで、日本武道館に足を運ぶという方だってたくさんいるに違いありません。芸能人が多数出演することで、24時間テレビの事前の広報や宣伝効果も大きいものがあるでしょう。その分、注目や関心も集まり、募金額に反映されることも期待できます。テレビ番組というショーとして、旬の芸能人が出演することには様々な効果があるからこその起用であるのだと思います。

また、「制作費を寄付しろ!」というのも暴論です。これだけの大きなテレビ番組を制作するためには、多大な労力がかかります。24時間テレビで流れる1つ1つの番組を企画し、放映されるまでに関わる人たち、すべてをボランティアで行えというのは、日頃の仕事を無償で行えというようなものです。むしろ、より魅力的な番組を作って、たくさんの人の共感を呼ぶことに力を注ぐことがプロの仕事であり、番組を作る全ての人に課せられた責任なのではないでしょうか。

本当に、愛で地球を救っている?

一方で、ガイドが不満に思うのは「24時間テレビは、もっと地球を救ってほしい!」という点です。現在、寄付先は、日本国内の福祉や環境、災害の緊急支援活動とされています。かつては飢餓や難民などの海外支援も行われていましたが、現在は災害時の緊急支援が中心です。

でも、”地球を救う”と掲げるのなら、国内に留まらず、かつてのように途上国の貧困問題や、紛争地域から追われる難民を支援してもいいのではないでしょうか。環境問題にしても温暖化や砂漠化など、地球規模の問題を支援するという視点があってもいいいのでは?と思うのですが……。残念ながら「愛が地球を救いきれていない」ように見えます。

過去をさかのぼると、かつては明確に募金の目的が設定されていました。海外支援や国連の掲げるテーマに即した支援が、募金活動の柱になっていた年もありました。

たとえば、「寝たきり老人にお風呂を!身障者にリフト付きバスと車椅子を!」(1978年、1979年)「カンボジア・ベトナム・ラオスの難民のために!(1980年)」、「アジア・アフリカの障害者のために!国際障害者年記念(1981年)」、「アフリカ飢餓救援(1985年)」と、毎年設定されるテーマに何を支援するかが明記されていたのです。

それが1992年から「愛の歌声は地球を救う」という抽象的な言葉に変わってきました。今年のテーマは「つなぐ ~時を超えて笑顔を~」だそうです。直接的な言葉を避けることで、より多くの人の共感を呼び、様々な課題に対応していこうという制作側の意図が感じられます。

そして2004年以降、福祉、環境、災害復興の3つを支援の柱に掲げ、国内の問題に焦点を合わせています。これも、身近な問題を皆で共有し、共に活動しながら、支援しようというねらいがあることがうかがえます。

24時間テレビはもっと地球を救え!

もちろん、福祉の充実や国内の環境問題の解決も重要な課題です。その支援をすることに異を唱えるわけではありません。

ただ、福祉や環境保全は、本来であれば、国や行政に解決してほしい領域です。足りない面を善意で補い、支援の網からこぼれない人を作ることは大切ですが、善意に頼りすぎると、対症療法ばかりが活発になって根本的な解決がおざなりにならないかといった視点も忘れずに持っていたいと思うのです。

24時間テレビは普段のテレビ番組ではメインになりにくいテーマを取り上げ、たくさんの人の共感を呼ぶという意味で有意義な番組です。日本のチャリティーの歴史に刻んだ功績は大変大きいといえるでしょう。その手法に偽善では?といった批判もありますが、そういった内容に動かされる人がいることもまた日本人のチャリティーへの意識を現しているともいえるのではないでしょうか。

いろいろな声はあるにしても、全国ネットのテレビ局が、これだけのチャリティー番組を38年間も放映し、国内外の社会問題を支援し続けることの意義はもっと評価されていいはずです。

願わくば、もっともっと多くの人の関心を高めるような良質な番組を作ってほしい。海外支援や地球規模での環境保護も番組を通じて訴えてほしい。そして、これまで以上に多額の募金を集めて、もっともっと地球を救ってほしい。そう思います。
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