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投資するなら自分の強みと弱みを知ってから

マーケットは万人に共通なのに、結果に差が出るのは、投資をする人の内面の問題です。ゴール、タイプ、スキル、タイムスパン、スケールと、自分自身の強みと弱みを整理すれば、投資の失敗は防げるはず。まずは、自分自身を見つめ直しましょう。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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「投資は己を知ってから」の第六段は、自分のリソースを知ることです。

自分を知る5つのアイテム

自分自身を知れ

自分自身を知れ

「投資は己を知ってから」の第六段は、自分のリソースを知ることです。ここまで、「自分の何を知るべきか」というアイテムを5つ解説してきました。

・ゴールを知る
・タイプを知る
・スキルを知る
・スケールを知る
・タイムスパンを知る

これらのアイテムにおける強みが、投資におけるあなたのリソースです。ですから、自分の強みを弱みをはっきりと見極めることが、最重要です。言葉を換えて言えば、これよりも大事なことはありません。

30~40歳代にありがちなプロフィール

私がこれまで相談を受けてきて、30~40歳代の一番多いパターンは、こんなプロフィールです。

強み:資産5倍で満足できる。専門家に任せることに鷹揚。インターネット&メールは使える。毎月の余剰資金を投資できる。ゴールまで20年超ある。

弱み:ライフプランが不明確。感情に流されやすい。数字や横文字が苦手。一括拠出できる大金を持っている訳ではない。途中でポートフォリオを取り崩す可能性ある。

このように自分の投資家プロフィールが明確になっていると、それにふさわしい投資手法は、おのずと明らかです。あとは、信頼できる専門家に出会うことだけで、ほとんどが解決されます。

たとえば、上記のような30歳代の人であれば、株式投資信託を使った国際分散投資をつみたて方式でコツコツ行う方法(ドルコスト平均法)を提案されると思います。

50~60歳代にありがちなプロフィール

50~60歳代の一番多いパターンは、こんなふうです。

強み:目減りしない資産防衛が目的。リスクに対して敏感。経済&株価を理解できる。一括投資できる資金を持っている。ポートフォリオ取り崩しの時期が明確。

弱み:健康状態に運用期間が左右される。固定観念にとらわれがち。直感的理解が苦手。余剰資金が生まれてこない。運用期間が短い。

このような方も、上記の自己プロフィールを専門家筋に伝えることで、より信頼性の高い提案が得られると思います。自分でしたら、株式比率を最低限にして、REITや分配型バランスファンドを使った安定的な資産配分を勧めると思います。

自分だけのプロフィールを発見する

投資家の強みと弱みというものが、どんなことか。分かりやすいように、年代別のパターンを例示してみました。気をつけたいのは、このパターンを安直に自分に当てはめないことです。

十人十色といわれますが、あなたの強みと弱みも決して平均的ではありません。必ず、自分だけの強みと弱みを持っているはずです。それを、客観的に発見して、言葉で表現してみましょう。「なんとなく分かっている」というのは、「知らない」ことと同義です。

あなたをだますのはあなた!

ここまで、投資を己を知ってから」と連載してきましたが、いかがでしょうか?

繰り返して強調したいことは、自分の外側に「何が儲かる?」と宝物探しをすることよりも、「何が向いているか」を知り、「何を避けなければならないか」をわきまえて、道を探すことが、とても大事だということです。

英国の政治家、パルワー・リットンが遺した言葉に、こんな名言があります。

「一番だましやすい人間は、すなわち、自分自身である」

自分をだまさないで、だまされないで、素直にマーケットと付き合っていければ、投資はむずかしいことではありません。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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