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ドラマを彩るサウンドトラックの奥深い世界(2ページ目)

聴いただけでドラマの世界が鮮明に広がるサウンドトラック。自分の人生を輝かせてくれる素晴らしい作品もあります。

竹本 道子

執筆者:竹本 道子

ドラマガイド

人間の放つエネルギーをドラマチックに染めていく 林ゆうき

『絶対零度』『ストロベリーナイト』『DOCTORS~最強の名医~』『リーガルハイ』シリーズなど、ヒット作・話題作との相性の良さを感じる林ゆうきですが、作曲活動のきっかけは異色。新体操の選手時代に演技用の音楽を選曲、やがて編曲するようになり広がりを見せたとか。

林ゆうきの作品にはいい意味で若さと謙虚な風格を感じます。それゆえ、新しい世界観に謙虚に挑む型にはまらない音楽性を感じるのかもしれません。『リーガルハイ』のビート感、『BOSS』のキラキラ感、『ストロベリーナイト』の抱える切なさなど、力みのない抜け感は若い世代に響く音楽を繰り出していると言えそうです。

10月スタートの朝の連続テレビ小説『あさが来た』では、幕末から明治にかけての時代を今の感覚で見事に表現してくれるでしょう。

ドラマの表情を様々な角度から聴かせる 佐藤直紀

力いっぱいからちょっと脱力まで、守備範囲の広さに驚くばかりです。

『ハゲタカ』、『空飛ぶタイヤ』、社会における人間の葛藤を煽ることなく表現する躍動感にあふれた作品が印象的です。『龍馬伝』ではシンセサイザーを用い新しい時代劇を創造、『GOOD LUCK!!』の晴々したサウンドはドラマの爽やかな世界を、 『マンハッタンラブストーリー』の洒落たメロディーはドラマの人間くさい部分をサラリと表現しました。楽器の持つ人間味を熟知し、なつかしさや時代のもつ空気感を表現する作曲家です。

2016年放送のファンタジー『精霊の守り人』は放送に3年を費やす壮大なスケール。どんな音楽が聴こえてくるのか楽しみですね。

音楽の原点を知っている新感覚 澤野弘之

個性的な楽曲で私たちを楽しませてくれる澤野弘之ですが、『まれ』に登場する楽曲「ROtu9中」「Otto64」「Mt氏」など、暗号のようなタイトルにも注目、民族楽器や波のサウンドなどバラエティ豊かに楽しませてくれます。

『医龍』では人間の腹の探り合いとオペの臨場感を、『BOSS』では華やかでクールな世界観を音楽で演出しました。音で表現することはもちろん、音を楽しむことを忘れていないところに魅力があります。様々な意匠をこらしチャレンジしていく澤野弘之の世界は、さらに進化していくはずです。

サウンドトラックを聞いていると、ドラマをもう一度見たくなります。それこそがサウンドトラックの素晴らしさなのだと改めて思います。
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