ボルトCスペックは良い意味でも悪い意味でもバランスを崩している
ボルトに試乗した際、とてもバランスの取れた車輌だと感じました。しかしボルトCスペックは良くも悪くもバランスが崩れたモデルです。ボルトが乗り手を選ばず万人受けするために作ったバイクであれば、ボルトCスペックはカスタムショップがお客様の“こだわり”を受けて作り上げたバイクという印象です。
バックステップを採用したことで旋回時、簡単にステップを地面にすらなくなりましたが、反面ストップ&ゴーの多い街中では足を下ろす際に常に足が当たってしまうので意識的に後ろに足を下ろす必要があります。
カフェレーサーのお約束とも言えるセパレートハンドルはそれほど前傾姿勢が厳しくはありませんが、バイクを押し引きする際に非常に重く感じるようになり、旋回時も若干ハンドルの重さを感じるようになりました。
乗りなれてくればボルトに比べて車体を倒してコーナーに侵入出来るため、走行性能の高さを発揮できるかもしれませんが、少なくとも街中レベルではボルトの方が圧倒的に扱いは楽です。
しかし、使い勝手の面ではなくスポーティーさで見ればどうかと言えば、車体左側にVバンクカバーというカバーが装着されニーグリップしやすくなり、ボルトRスペックのリザーバータンク付サスペンションをベースに6mm延長したリアサスペンションと同じく9mm延長されたフロントフォークサスペンション、そしてバックステップの影響でコーナリング時はより早いスピードで進入して旋回できるようになりました。
シートも滑りにくい加工が施された肉厚のシートのため、ボルトと比べると長時間のツーリングが楽になりましたし、ハンドルが細くなったことで操作もしやすくなり、バランスの取れたスポーツクルーザーを更にスポーティーなカフェレーサスタイルに仕上げたことで良い面と悪い面がしっかりと浮き出てきたイメージです。
まったり走行ではなくスポーティーに駆け抜けたいならCスペック
繰り返しになりますが、街中を走ればおよそストップ&ゴーを繰り返すにはバックステップの位置が邪魔をして信号待ちのたびに気を使うことになります。ちょっと試乗しただけでも感じましたが、一週間毎日通勤でボルトCスペックを使っていても慣れませんでした。
しかし逆にバンクした時の限界性能が高くなったことで、乗る人によってはコーナーを駆け抜ける喜びを感じることが出来るようになっています。
まったりと街中を走ったり、ツーリングで使用するには無理にバンクさせる必要はありませんし、ハンドル幅も若干広めの方が扱いやすいと言えます。普通に乗るならボルトの方が扱いは楽ですが、
「バイクを操舵する楽しみを感じたい!積極的にバイクを操舵したい!」
という人にとってはボルトCスペックはボルトに比べて遥かに期待に答えてくれます。ボルトのスタイルを見ればカフェレーサースタイルに仕上げたい!というユーザーも多かったはずです。
ボルトRスペックのABS付モデルの価格が99万5760円(税込み)。それに対して、ボルトCスペックは102万8160円(税込み)。その差3万2400円ですが、ボルトをカフェレーサースタイルにしようとしたらパーツ代金だけで数十万円かかってしまいます。
メーカーが作り上げたファクトリーカスタム車輌と言っても過言ではないボルトCスペック。リザーバータンク付サスペンションを装備したボルトRスペック。そしてノーマルボルト。選択肢が広がったことであなたのライフスタイルに合わせた選び方が出来るようになったといえるでしょう。
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