食中毒の原因が流しそうめんの沢水だった事例

アウトドアでの食事準備イメージ

キャンプやBBQなど、楽しいアウトドアでの食事。しかし見た目は綺麗でも意外なものが食中毒の原因になることがあります

2015年7月、屋外イベントで10歳未満の子供から60歳代まで男女54人が下痢や腹痛などの症状を訴える食中毒が発生しました(2015年7月18日、山形県東根市で開かれた川遊び等のイベント)。

その後の発表によると、医療機関で受診した子供4人を含め入院者はおらず、全員回復に向かったのでひと安心しましたが、原因となった食品は生肉などではなく、「沢水を使った流しそうめん」という意外なものでした。

同年7月30日の食品安全衛生課の発表によると、沢水及び患者の便から病原性大腸菌が検出され、病原性大腸菌を原因とする食中毒と断定されました。

この病原性大腸菌とは、ヒトや動物の腸管内にあり、糞便等を介した汚染により自然界に広く分布しています。食中毒をおこした際の症状は下痢、腹痛が主な症状です。

また以前にも、井戸水や湧き水で、カンピロバクターによる食中毒も起きています。

沢水・井戸水・湧き水の食中毒リスク……細菌・ウイルスも

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透明で綺麗な沢の水も、様々な細菌やウイルスに汚染されているかもしれません。

自然のものは安全で、人工的なものは危険、というイメージを持る方もいるようですが、必ずしもそうとはいえません。

個人的にアウトドアを楽しむ場合は自己責任となりますが、特にこのようなイベントでは不特定多数の人に食品を提供するものです。すべての人が安全に楽しめるよう、安全基準を満たした水を使用することが前提でしょう。

一見透明で綺麗な沢水や湧き水でも、水質検査などが行われて飲用に適しているかどうかがチェックされていなければ安全性はわかりません。自然界にいる様々な細菌やウイルス等に汚染されている可能性もあるので、食中毒リスクを考えれば飲用はしない方がよいでしょう。

沢水に直接スイカやトマトを漬けて冷やし、そのまま口にする、という行為も、実は同様のリスクがあります。

また、たとえ蛇口がついていても、屋外にある蛇口から出る水が飲用できる水道水とは限りません。利用する場合は水道水なのか、飲用に適しているのかを、施設管理者などに確認するようにしましょう。

キャンプやバーベキューでの食中毒予防法

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生肉をじゅうぶん加熱することに注意するだけでなく、調理器具や調理する人の衛生管理にも気を付けましょう。

消費者庁では、全国の消費者を対象にバーベキューに関する意識・行動のアンケート調査を実施しました。調査の結果から不適切と思われる点をピックアップし、バーベキューをする際に注意すべきこととして取りまとめました(平成27年7月29日)。特に食中毒について気になる部分をご紹介します。

  • 調理の直前までの冷蔵などに気を付けているのは53.9%
  • 調査では、約4割(44.3%)が、トングや箸の使い分けに注意していない
  • 肉(ハンバーグや成型肉等を含む。)が中心までよく焼けているか確認しているのは40.2%
  • 普段あまり調理をしないが、バーベキューの際には調理を担当するのは24%。
※普段調理をしない方は、普段調理をされる方と比較して衛生的に気を付けることが少ない傾向も見受けられます。

食材別に簡単に原因菌となるものをまとめますと、

  • 生肉、生レバーなど(腸管出血性大腸菌、カンピロバクター、サルモネラ属菌 )
  • 豚肉(内臓、レバーを含む)、ジビエ (E型肝炎ウイルスや寄生虫)
  • 生の魚介類など(腸炎ビブリオ )
  • おにぎりや練りものなど(黄色ブドウ球菌 )

などがあげられます。

また、食品安全委員会ではバーベキューやピクニックでの食中毒について、次のような注意喚起しています。
  • 中心部まで十分に加熱して食べましょう。
  • 肉や魚介などの生ものに使用する箸やトングは生もの専用に。食べるお箸とは分けること。
  • おにぎりは直接手で握らず、ラップ、ビニール手袋等を利用しましょう
  • 保存、携行は冷暗所(クーラーバックや保冷剤等)を利用すること。
詳しくは、食品安全委員会による「バーベキューやピクニックでの食中毒にご注意ください」をご確認ください。

食中毒症状の下痢・嘔吐を風邪と誤認するのは危険

食中毒の一般的な症状は、下痢、腹痛、嘔吐、発熱などで、食中毒特有の症状ではなく風邪などに間違われることがあります。食事後、数時間してこうした症状が起きた場合、食中毒が疑われます。

食中毒かもしれないと思ったら、脱水症状を起こさないように水分補給をすること、吐き気や嘔吐がある場合は、喉に嘔吐物がつまらないように横向きに寝かせましょう。

下痢が続いた場合、原因菌が体外に出るのを邪魔し、症状を悪化させることもあるので、安易に自己判断で市販薬を使わない方が良いでしょう。

同じものを食べても、消化器官や免疫力が未発達な乳幼児、高齢者、持病のある人はもちろん、過労や睡眠不足などで体力が落ちている時にも食中毒になりやすいものです。もしやと思ったら、早めに医療機関を受診しましょう。

安全に配慮して、夏のレジャーを楽しんでください。

■参考
「沢水を利用した流しそうめん」における食中毒事件について(第2報)
安倍川花火大会で起きたO157食中毒について(概要)静岡市保健所食品衛生課(厚生労働省)
バーベキューにおける食中毒・火傷に注意(消費者庁)
バーベキューやピクニックでの食中毒にご注意ください(食品安全委員会)
・国立感染研究所
・食中毒について(全日本病院協会)
その他
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。