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TOKYO FM『クロノス』中西哲生が語る「ラジオ哲学」(2ページ目)

スマホでラジオを聴くユーザーの増加も影響してか、今、朝の通勤時間のラジオ番組に注目が集まっています。そんな中、朝のワイド番組『中西哲生のクロノス』(TOKYO FMをはじめとするJFN系列全国38局ネット)で7年にわたってパーソナリティを務める中西哲生さんに、All About 「東京」ガイドでありTOKYO FM出身のフリーアナウンサー・藤丸由華がインタビュー!

藤丸 由華

執筆者:藤丸 由華

東京ガイド

ラジオで話すには「脳に4本のレーン」がないといけない

クロノス

番組Facebookページへの投稿の多さも、リスナーから人気の秘訣?


藤丸
:ラジオは他のメディアと何が一番違いますか?

中西:ラジオは五感のうち聴覚しかない。どういう風に表現したらリスナーに上手く想像してもらえるのか常に考えていますね。ここでも子供時代にラジオに親しんだ経験が役立っていて、例えば、ラジオから食べ物の話が聴こえてくると「どんな味がするんだろう」って想像するのが楽しかったこととか思い出します。

藤丸:ラジオは想像が楽しいメディア。

中西:ですね。ラジオを聴いている人は想像力が深まると僕は思います。こちらとしては聴いている人の想像を広げるヒントをいかに出せるかが勝負。美味しそうな音をどう出すかとかね。あと、ラジオの生放送は予定通りにいかない。CDが止まったり、地震が起きたり。そんな時も全て言葉で伝えないといけないという難しさはあります。そういう時のために「脳内のレーン」を常に1本空けておかないといけませんね。

藤丸:脳内のレーン?

中西:ラジオに出演するようになってから脳の中に4本のレーンがないと厳しいと思ったんです。1本目は話すための脳、2本目は時間を気にする脳、3本目は原稿見て整合性を図る脳。で、もう1本レーンを空けておかないと何かの時に対処できない。

藤丸:そこまで理論的に!

中西:サッカー選手の時代もその感覚はあったんですよ。味方の選手を見る脳、相手の選手を見る脳、ボールを見る脳。そしてもう1本は空けておく。テレビの仕事ではこの感覚、そこまでないんですけどね。

藤丸:そこまで考えてマイクに向かっているとは…すごい! ところで、今もプライベートでラジオは聴いていますか。

中西:もちろん! 車の中は基本TOKYO FMですよ。でもね、TOKYO FMの他番組を聴いていたら、突然『クロノス』の宣伝が入って自分の声が流れてくる…あれがねぇ…。

藤丸:わかります! 照れくさいというか、私も突然出会う自分の声に萎えます(笑)。「ラジオパーソナリティあるある」ですね。

中西:恥ずかしくてしょうがない。「ああイタイ…1人で運転していて良かった」ってホっとすることも多々(笑)。

スマホリスナーの増加でリクエストが殺到!

藤丸: 最近はradiko(ラジコ)の普及で若い世代を中心にラジオリスナーが増えているとも言われますが、実際にラジオ番組をやられていて、何か変わったことってありますか?

中西:これはもう、劇的に変わりましたね。電車で、スマホで聴いてくれる人が増えたのが大きい。8時台に「通勤リクエスト」っていうコーナーがあるんですが、ある時“鉄道会社別リクエスト”って企画をやってみたんですよ。この曜日は小田急線を利用している人からのリクエストを受け付ける、ある曜日は東急線、西武線……というように。そしたら驚くほどリクエストがきました!

藤丸:「おらが街」じゃないけど、「おらが路線」。しかも、今その電車に乗っているとなると…燃えますね。

中西:ご指名されるとね。その時やっぱりスマホでradikoを聴く人増えたなぁって実感しました。リクエストもそのままスマホで簡単に送れるからどんどんくるし。

藤丸:ラジオとネットというのも相性がいいんですね。

中西:いいですよ。今、『クロノス』のFacebookページは購読者数がラジオ部門で世界第2位ですから。

藤丸:す、すごい!

中西:でも、決して人気者になりたいわけじゃなく、リスナーの方々が少しでも前向きになれればと思ってます。今朝も「今日は呼吸するだけの1日だと思っていましたが、『クロノス』であの曲に出会えていい1日になりました」というメッセージがきていました。聴いてくれる方たちの生活が楽しくなるヒントを送れれば、僕たちは幸せです。『クロノス』は総勢18人のチームで作っているんですけど、僕はキャプテンの立場で。この番組が良くなってきた要因の1つに、みんなチームのために頑張るようになったっていうのがありますね。以前はそれぞれ自分の担当曜日のことだけ考えていましたけど、聴いている人たちにとってはそんなこと関係ない。だから取材してきたネタも、他の曜日でやったほうが相応しいと思えば他の曜日に渡す。他の曜日をサポートして負担を少なくする。横のつながりを作るようにしたんです。

藤丸:それって簡単そうですごく難しいですよね。どうしても自分が担当する曜日でいっぱいいっぱいになりますから、余裕もなかなかないし。

中西:クロノスチームは仲が良いです。ただ、お互いに文句、つまり意見を言い合えることが大事。若いADも僕に意見を言いますし、そういった仲の良さですね(笑)。それから番組で炊飯器を買って毎朝ご飯を炊いているんです。みんな東北の被災地によく取材に行くので、そこで買ってきた美味しいものをおかずにして毎朝食べています。同じ釜の飯を食った仲ってやつですね。

藤丸:Jリーガー時代と同じ、『クロノス』でも中西さんのキャプテンシーが活きていますね!

中西哲生インタビュー

インタビューは後半へ続きます


現在、後輩選手たちの育成にも携わっている中西哲生さん。ラジオの生本番中、密かに自分自身のトレーニングもしていることが発覚! 『クロノス』中西キャプテンのお話はまだまだ続きます。

インタビュー後編はこちらから
>> 『クロノス』中西哲生「僕がラジオを続ける理由」

◆TOKYO FM/JFN『クロノス』
◆放送日時: 毎週月曜日~金曜日 6:00~9:00
◆出演: 中西哲生・高橋万里恵
◆番組HP : http://www.jfn.co.jp/ch/
◆番組Facebookページ:http://www.facebook.com/chronosfm

※このインタビューは2015年8月に収録したものです。

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