「私は母親失格」だと思うママの心理
難しい子育ての中で、母親としての自信を失ってしまうママもいます。気分の落ち込みや自己嫌悪は、何か悪い事が起こった後に発生するもの。
- 言い過ぎた
- 叱り過ぎた
- もっと○○してあげればよかった
いったん自分のことを「なんてダメな母親だ」と感じると、すべてがそう思えてきてしまうものですが、「母親失格だ」と感じるママが本当にダメなママなのでしょうか?
いいえ、ダメなのはママ自身ではありません。ママの中にあるマイナス思考の仕業です。それが「ダメママ像」を作り上げてしまうのです。だから、「私はダメな母親だ」と感じやすい方は、そのマイナス思考を退治することで、気分の落ち込みを大幅に減らすことができます。ここで、典型的なものを3つご紹介しましょう。
<目次>
母親失格に陥りやすいマイナス思考1 完璧主義タイプ
完璧主義は代表的なマイナス思考の1つです。心の中で「~しなくちゃ」「~すべき」が習慣的に繰り返されているのが特徴です。するとどうなるかというと、自分で許せる範囲がどんどん狭まって、許せない範囲がどんどん広がっていきます。つまり、1~100まであったら、自分で許せるのは90~100のみ、89以下は納得が行かない、こんな状況に陥ってしまうのです。普通の人だったら、「なかなか上出来」と思える89のレベルでさえも、「100点でないなら0点も同然」のように感じます。許せる範囲が極端に狭いために、ダメだと感じる回数が増え、自己嫌悪に陥りやすくなります。
母親失格に陥りやすいマイナス思考2 レッテル貼りタイプ
これは、自分や周りの人に、人間全体を否定するようなレッテルを貼るというマイナス思考です。もし誰かに、「使えない人」「人間失格」「最低人間」と言われたら、心にグサッとその言葉が突き刺さります。そして、すぐに、怒り、反抗心、絶望感などのネガティブな感情が出てくるはずです。このように、簡単に感情を乱す要素が入っているのが、この「レッテル貼り思考」。負のスパイラルにそのまま直行してしまうほどの威力があります。レッテルを貼るのが日頃からクセになっていると、自分自身にもレッテルを貼ってしまいがちに。
「子供に優しくできなかった」というある日のたった1つの失敗で、「ダメママ」「母親失格」にまで発展させてしまうため、「ダメ感」が心の中に充満してしまい、自己嫌悪に陥ってしまいます。
母親失格に陥りやすいマイナス思考3 読心術タイプ
相手の行動を見て、その人が何を考えているのかを推測したことは、きっとだれでもあるでしょう。この「読心術思考」は、その読みグセがエスカレートしたもの。「相手が自分のことを否定的に見ている気がする」と、ネガティブな方へと思いを馳せてしまう考え方です。
特に、これはママ友などの大人の人間関係のストレスと深いつながりがあります。
「あいさつがぎこちなかった」
「目を合わせてくれなかった」
「電話をかけ直してくれなかった」
のような行為を、「○○さんは私のことを避けている」と読んでしまい、「なぜだろう」「私の何がいけないんだろう」「私の育て方に問題があるのだろうか」と思い悩み、気持ちがどんどん落ち込んでいきます。
「母親として失格」と落ち込んでしまいがちなママへの処方箋
私は日々、そんなママ達の声を聞いている立場なのでよく感じるのですが、自分をダメママだと思っている人は責任感や完璧主義度が強く、それらが負の感情の原因になっているケースがほとんどです。一般論として、「ダメだ」と言っているのに全然ダメではない人もいれば、はたからみたら全然ダメなのに、本人は「ダメだ」と思っていないことってありますよね。自覚があるのは、単にその人が感じやすいからであって、真実を反映していないことが多々あるのです。「私はダメだ」は主観的なもの。だからときには、自分を疑うことも必要です。ぜひ、こう自問してみてください。
「私は母親失格になるくらい、今日1日ずっとひどい母親だっただろうか?」
たいてい答えはノーのはず。1日中ひどい母親でいられたら、それこそ問題です!
- 普段頑張っているからこそ、頑張れなかったときが悪目立ちする
- いつもニコニコ接しているからこそ、怒鳴ってしまったことが後を引く
- 毎日穏やかにと心がけているからこそ、生理のときの不機嫌な自分が許せなくなる
とかくママは自分には冷たく厳しくなりがち。子供のことは一生懸命ほめて伸ばそうとしているのに、自分のことはちっともほめてあげられない……。不公平ですよね。だから、次に落ち込みそうになったら、自分に対し公平な見方をしているかまずチェック! 思っていたよりも“良いママ”だった自分に気づけるはずです。
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