ここではまず日本の郵便ポストの歴史について紹介します。次になぜ郵便ポストは赤いのかという点について考察したいと思います。続いて、郵便ポストで町おこしをしている取組みがあるので、見ていきます。そして最後に人や地域の交流にも一役買っている郵便ポストについて紹介していきたいと思います。すでにポストに関しては速達用ポスト、Letterポスト、郵トピアポストについても記事がありますので、併せてご覧いただければと思います。
日本のいちばん最初の郵便ポストとは
そもそも日本で最初の郵便ポストはいつ用意されたのでしょうか。それは日本初の切手である竜切手が発行された明治4年3月1日(1871年4月20日)のことで、東京・京都・大阪(大坂)の市内と、東海道の宿駅に約100本のポストが置かれました。都市用ポストと街道筋に置かれるポストと2つの規格が制定され、「書状箱」や「集信函」などと呼ばれていたようです。当時はまだ手紙を書いたことのある人が少なく、郵便ポストが何かすら理解しない人が多かったため、「書状箱に手紙を差し入れれば、先方様に間違いなく届きます」といった説明が書かれていたことも注目されます。
赤いポストが登場する以前のポストの色とは
日本で最初のポストは白木で造られていました。明治5(1872)年から全国の主要な街道沿いに郵便ポストが設置されていきましたが、この時期はいわゆる黒ポスト(黒塗柱箱)です。鉄板を張り、黒ペンキを塗って仕上げたものが全国各地に配備されていきました。ここでは明治20年頃にさかんに設置されていったタイプの黒ポストの写真をご紹介したいと思います。また明治10年代、現在の町役場や村役場に相当する戸長役場には、掛け箱と呼ばれるタイプの郵便ポストがさかんに設置されていきました。ここに示すものは愛知県の布達で、草色で塗り、文字は白字で記すことが定められています。
次のページではなぜ郵便ポストが赤くなったのかという謎に迫りたいと思います。