ふたりで学ぶマネー術/ふたりで学ぶマネー術

年収が低いと夫婦関係は、悪くなる? 人生の幸福条件

「世帯の収入が少ないと、夫婦の関係は悪くなる」というイメージを持ちますが、実際のところはどうなのでしょうか? また、収入と幸福度の関係は? じっくり時間の取れる夏休みに、自分と夫婦、家族が幸せになれる条件について、考えてみませんか?

平野 泰嗣

執筆者:平野 泰嗣

ふたりで学ぶマネー術ガイド

  • Comment Page Icon

年収が低いと夫婦関係は、悪くなる?

年収が少ないと、喧嘩が増えて、夫婦仲は悪くなる?

年収が少ないと、喧嘩が増えて、夫婦仲は悪くなる?

「世帯の収入が少ないと、夫婦の関係は悪くなる」というイメージを持ちますが、実際のところはどうなのでしょうか?

(独)労働政策研究・研修機構が行った「第3回(2014)子育て世帯全国調査」では、世帯の年収階級別(中央値の指数を100として、7階級に分類)に、夫婦関係が「あまり良くない/悪い」と評価した妻の割合を調査しました。

結果は、下のグラフの通りです。指数76~100の中低所得層が、その割合が最も高く14.8%で、指数~50の貧困層(2.5%)、同51~75の中低所得層(12.3%)よりも上回りました。

また、指数126~150の中高所得層で夫婦関係が「あまり良くない/悪い」と評価している割合が6.4%であるのに対し、指数151~200の中高所得層、同200以上の高所得者層は、それぞれ10.7%、7.7%で、その割合が増えているという結果から、夫婦関係を良くするためには、収入が多ければ多いほどよいという訳ではなく、ほどほどの多さがよいと言えそうです。

また、妻が夫は「(まあまあ)良い」父親と評価している場合は、貧困層・中低所得層であっても、夫婦関係が「あまり良くない/悪い」と評価している妻の割合は、1%を切っているということから、夫婦関係は、年収とは関係なく、相手のことをお互いに認めているかどうかの方が重要であると言えそうです。


※「第3回(2014)子育て世帯全国調査」のデータよりグラフ作成

※「第3回(2014)子育て世帯全国調査」のデータよりグラフ作成


幸福度は、やっぱり収入に比例する?

年収と夫婦関係は、あまり関係がないという結果を見てきましたが、夫婦関係が良いことと、幸せであることは別問題である、というのが現実のようです。

下のグラフは、「第3回(2014)子育て世帯全国調査」から、母子世帯と、夫の年間所得階級別に、それぞれ、母親が有業である場合、無業である場合に分け、高幸福度の割合を表わしたものです。この場合の高幸福度とは、「とても幸せ」=10点、「とても不幸」=0点とし、自己評価をしてもらい、8点以上としています。結果は、一目瞭然ですが、所得が上がるほど、母親の高幸福度層の割合が多くなっています。やはり、収入と幸せは、比例すると言えそうです。

この調査結果で、注目すべき点は、母親有業(共働き)よりも、母親無業(片働き)の方が、高幸福度層の割合が多いという点です。さらにその傾向は、夫の所得が低い層(I)と高い層(IV)に強く表ています。夫の収入が平均的な層(II、III)の場合は、母親が働いている、働いていないというのは、母親の高幸福度に影響しないようです。

※「第3回(2014)子育て世帯全国調査」のデータよりグラフ作成

※「第3回(2014)子育て世帯全国調査」のデータよりグラフ作成


>>所得が下がっても、生活の満足度は上昇!? 人生の幸福の条件は?

  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます