「主導権争い」を卒業するには
愛してほしいと思ったときに「どうすると愛を証明できるか」という考えは主導権争いにつながりがちです。
まず、相手が何か欲求を出して主導権を握ろうとした時に、どういう理由がその根底にあるのかを想像します。
例えば、彼女が彼に対して、
「次のデートはこの服を着てきて! でないと嫌いになるからね!」
というセリフが出てきた場合。
彼女の気持ちを想像をせずにストレートに言葉を受け取る場合、
「え~! 次のデートの服装まで指定されたくないよ!」
などと答えてしまうでしょう。
しかし彼女は、自分の選んだ服を着て欲しいと思っているのではなく、「自分が指定した服を着てくれるぐらい彼は自分のことを愛してくれているんだ!」と証明したいだけなのです。“愛の証明”という主導権の勝利を感じたいのだ考えられます。……ということは、彼が言うことを聞かないと「自分のことを愛していないのね?」と思い込み、衝突し、喧嘩が始まってしまうかもしれません。
このような主導権争いに巻き込まれないようにしつつ、解決するにはどうすればいいでしょうか。
まず彼は、このように自分に問いかけてみるということです。
「今、彼女は自分をコントロールしようとしている。彼女はコントロールすることで、“愛を証明して欲しい!”と考えているのだろう? また、なぜ愛を証明して欲しいという気持ちになったのだろう?」
彼女の「主導権争い」に気づいた彼がこのように考えることができれば、彼女があなたとのパートナーシップや信頼関係に不満や不安を感じていていることがわかります。
「急にそんなことを言ってどうしたの? 何か不安があるのかい?」――などと彼女に問いかけて、さきほどの行動と彼女の持っている「ルール」について、聞いてみるのはどうでしょうか?
あなたが勝っても負けてもダメ
お互いのルールを話し合って、交換するのも良いですね。
もし争いに対して負ける、つまり、「自分が折れる」ことをよしとすると、のちのち不満が出てくるでしょう。
また、勝った方にも罪悪感が生じるので、健全な関係性は築けません。
どちらかが勝ったり負けたりするのではなく、強いて言えば「両方が勝つ!」ということを目指すことです。
ふたりの「愛を得るためのルール」がぶつかってしまった時に、お互いが納得できる答えや根本的な解決法を見つけ出すことが「主導権争い」を卒業できる原則でもあります。
「パートナーと同じパターンでつい喧嘩をしてしまう」……と思う人は、ぜひこの「主導権争い」を卒業することを思い出してみてください。繰り返すパターンの抜け道になるかもしれません。