ミュージカル/注目のミュージカルレビュー・開幕レポート

熱狂の『天使にラブ・ソングを…(シスター・アクト)』(3ページ目)

現在、爆発的な人気を集めている来日版ブロードウェイ・ミュージカル『天使にラブ・ソングを…(シスター・アクト)』。ウーピー・ゴールドバーグ主演の映画が有名ですが、ウーピー自身がプロデュース、アラン・メンケンが音楽を書き下ろし。ミュージカルとしてより心に迫る作品となりました。デロリス役ケリッサ・アリントンと修道院長役マギー・クレノン・リーバーグにインタビュー。人気の秘密に迫ります。

三浦 真紀

執筆者:三浦 真紀

ミュージカルガイド


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修道院長もいつしかノリノリに!(C)渡部孝弘


 

自分自身の力でチャレンジを越えていくからこそ、
人間として成長できる

——最初、2人がまだわかり合えないシーンでは、舞台上で「こいつ!」と思ったりしませんか?
マギー 時々ね(笑)。
ケリッサ 逆にサプライズで「私のシスターたちなのよ!あなた、何をしようとしてるのよ!」ってマギーに怒られると、もう最高!(笑)。マギー以上の人と組めるとは思えないぐらい、私もマギーも楽しんでいます。その上で、自分が物語を語る上で何が大事か、ちゃんと焦点を合わせることが大事かと。
マギー ケリッサと私はお互いのことをよく知っているので、とてもいい化学反応が起こるの。ケリッサと舞台に立つことはとても楽しくて。自分がどうしたいかをケリッサは察知してくれるし、逆にケリッサが何をしたいかを私は感じることができる。お互いにサプライズしあっても、大丈夫な信頼関係があります。本番中、どんなボールを投げても投げ返してくれるから。ここまで速いペースでボールのやりとりをできる相手は、他にはいません。時々「ケリッサにいじわるするのは、大変じゃありませんか?」って聞かれるんですけど(笑)。演者としてケリッサのことをとても信頼しているし、私がよりいじわるであればあるほど、ケリッサは冴えてくる。観客の皆さんにも伝わるところが大きいと思います。一緒に組めて、本当にラッキーよ。

——今回、アラン・メンケンさんにもお話を伺いましたが、彼は「自分よりも大きなものに身を委ねる勇気」をこの作品の哲学として通しているとおしゃっていました。その言葉から、何かピンとくることはありますか。
ケリッサ わかるわ!そういった表現でメンケンさんの言葉を聞けるのは素晴らしいです。デロリスはある意味、自分を修道院長に委ねるでしょ?修道院長に「やりなさい!」と言われていることを受け入れなければいけない。ハッピーじゃなくても。でも自分自身の力でそのチャレンジを越えていくからこそ、人間として成長できるんだと思います。マギーも言うように、自分と知性、強さを持っているデロリスだからこそ、彼女は成長できるのかと。
マギー 確かにその通り。自分を持っているからこそ、誰かに身を委ねることができるんです。アランの言うことは、心に響くわ。修道院の中で築かれる人間関係は、個人よりも大きなもの。ひとつひとつを足した場合、その数よりももっと大きなものになっていきますよね。自分の身を完全に委ねることで、私たちが作ろうとしている以上に大きなものになる。本当に素敵なことです。
ケリッサ 音楽もすごく深くて。いろんなパートがあり、そのパートが重なることで大きなうねりやパワーが生まれる。そこに身を委ねることで大きな変化が起こることを、日々感じます。
マギー それはアンサンブルの人たちにも通じているわね。カンパニーの雰囲気はどうですか?という質問をよくされるんですけど。自分自身をさらけ出してチームの一員になる。それができると、大きな力となり、自分も成長できるということではないかしら。

——デロリスも最終的には、ひとりで歌うより、みんなで歌ったほうが幸せ!って実感したわけでしょ?ストーリーだけでなく、音楽にもその気持ちが表れていますよね。
ケリッサ ほんと、その通り。
マギー 100%同意します。

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ミュージカルのデロリスはスター歌手を夢見る女の子。(C)渡部孝弘


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