トイレの壁に多く用いられるビニールクロス
やさしい色合いを組み合わせた空間に。防カビ。 サンゲツ
トイレの壁の仕上げ材には、壁紙(壁クロス)、塗壁、タイル、パネルなどが挙げられます。一般的なトイレに多く用いられているのは、石膏ボードなどの下地の上に張っていく乾式工法の壁クロスでしょう。素材によって、ビニールクロスや紙クロス、織物クロスなどに分類されますが、最も多く用いられているのは、塩化ビニール樹脂などを主な素材とするビニールシートに紙などを裏打ちした、ビニールクロスです。
また、最近では、部分的に水や汚れに強くお手入れも簡単なパネル状の壁仕上げ材を用いたり、デザイン性の高いタイルなどを組み合わせるケースもみられます。
空間に必要な性能・機能を持つタイプを選ぶ
各メーカーからは、トイレや水まわりに向いている商品ラインナップを揃えています。また、さまざまな機能を持たせた商品(機能クロスと呼ばれることも)が多くみられ、カタログでは各社それぞれのマークなどで表現されているので、選ぶ際にはどのような機能を持つ素材か、確認することが大切です。トイレの壁クロスは、清潔さを保持できること、水に強いことなどが基本ですが、商品によって性能に違いがあるので、どの程度の性能が期待できるか、具体的な特徴や機能は、カタログやショールームなどで確認することが大切でしょう。
誰がどう使用するのかを明確に
最近の一戸建ての場合、トイレは2ヶ所設けられるプランが多くみられます。壁クロスを選ぶ場合も、それぞれ、誰がどう使用するのかをはっきりさせておくこともポイントでしょう。たとえば、1階は家族だけでなくお客様も使用する、2階は子供だけ、介護が必要なご家族が使用するケースが多いなど、家族やプランによって異なるものです。お客様も使用するなら、デザイン性や快適性にこだわって選ぶ、子供だけもしくは、介護が必要という場合であれば、汚れがつきにくく掃除がしやすいタイプを選ぶという考え方もあるでしょう。トイレに限ったことではありませんが、使用目的にあわせた素材選びが大切です。
トイレの壁クロスに欲しい機能
トイレは清潔さを保ちたい場所。水に強く掃除のしやすいクロスを選ぶことが基本でしょう。また、リラックスしたい空間なので、居心地のよさも考慮したいものです。
■汚れがつきにくく、落としやすい
特殊な表面加工によって、汚れが付きにくく、また付いても落としやすいタイプ。水拭きや洗剤などを用いて汚れを落とすことができるものなど。日々のトイレ掃除の回数や時間の削減にもなるでしょう。
■抗菌作用で清潔に保つ
表面にフィルムを使用するなどして、菌の増殖を抑え清潔に保つ機能を持たせたタイプ。
■気になるに臭いを消臭
表面に消臭剤などを加工することで、臭い成分を吸着・分解除去するもの、においの元となる雑菌の繁殖を防ぐものなどがみられます。
■カビや結露の抑制
湿気をコントロールする機能を持つもの。湿気を吸収し、結露を緩和し、乾燥時には逆に水分を放出するという調湿機能を備えているタイプも。
壁クロスのコーディネートの基本
トイレ空間は、個性的に仕上げたい、と希望する方も多いでしょう。壁クロスの選び方によって、その雰囲気は大きく変わるもの。好みのトイレ空間の写真などをコーディネートの参考にするのもいいでしょう。■床材や扉材、衛生陶器などとコーディネートを
壁クロスを選ぶ場合は、まず、便器などの衛生陶器、また、床材や扉材などとのコーディネートに配慮すること。最近では、微妙な色合いの衛生陶器もみられるので、可能であれば、実際にサンプルなどで合わせてみるようにしましょう。
■限られたスペースでも広々と感じる工夫を
一般的に限られたスペースであるトイレは、広々とゆとりを感じさせるようなクロスを選びたいもの。清潔さを感じさせるような色合い、汚れが目立たないような、淡い色合いが無難です。柄を取り入れたい場合は、デザインにもよりますが、大柄のタイプよりも小さめの柄の方が圧迫感を感じることが少ないでしょう。
■好みのデザインを一面に取り入れたり、上下で貼り分けても
インパクトのある空間にしたい場合は、異なる色やデザインのクロスを貼り分けてもいいでしょう。たとえば、四面すべてを同じクロスにせず、一面だけを変えてみても。濃いめの色や華やかなデザインの柄を一面にだけに用いることで個性が生まれます。また、ボーダーを取り入れて、上下に異なるクロスを用いても。下から上に明るめにすることで落ち着いた空間にまとまるでしょう。
■手洗いボウル・カウンターまわりにアクセントを
最近では、タンクレストイレを取り入れたプランも多く、トイレ内に手洗いボウルやカウンターなどを設けるケースが増えてきています。壁クロスをコーディネートする場合も、これらのまわりをポイントに張り分けてもいいでしょう。カウンターのある面を貼り替えたり、ボーダーを用いても。また、クロスだけでなくタイルと組み合わせてもいいでしょう。
ショールームでは大きめのサンプルで確認を
最近の壁クロスは、デザインはもちろんのこと、さまざまな特徴、機能を持つタイプも多くみられます。選ぶ際には、カタログやサンプル帳だけでなく、できる限りショールームの大きな見本でチェックを。特にトイレの壁クロスを選ぶ場合、掃除やお手入れの方法など、事前に確認しておくことをお勧めします。【関連記事】
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