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不動産会社社長に求められる品格

大きな資金が動きやすい不動産会社は、そこで働く社員だけでなく社長自身もしっかりとした人物であることが求められます。ところが、社長による犯罪も少なくありません。

執筆者:平野 雅之


他の業界に比べて多いのかどうかは分かりませんが、不動産会社の社長による犯罪は毎年のように発生しています。

不動産会社の事務所や店舗を舞台にした社員への暴行・傷害事件、客とのトラブルなどのほか、脱税事件もちらほら発生し、何年か前には麻薬使用で捕まったマンションデベロッパーの社長もいました。過去に遡れば、不動産絡みの殺人事件もあったようです。

2005年秋に大きな社会問題となった一連の耐震強度偽装事件では、マンションデベロッパーの社長も、購入者への被害の拡大を食い止めようとしなかった道義的責任を問われています。元社長は、事実誤認だとして再審を求める意向のようですが……。

マンションの分譲などを手掛ければ、すぐに数十億円とか百億円を超えるような売り上げになる不動産業界ですから、一般の人からみれば巨額の資金が動く大会社のように感じるかもしれません。そのぶん、社長もしっかりとした人物だと思われるでしょう。

しかし、その実態は近所のおっちゃんがやっている中小企業とさほど変わらないこともあるのです。派手さがないぶん、近所のおっちゃんのほうがしっかりとした経営者だという場合も十分に考えられます。

不動産会社が売り上げを伸ばして急成長することもありますが、成長する会社ならば、それに応じて社長の資質や品格も成長して欲しいものです。それ以前に、資質や品格を備えた社長の会社にこそ成長して欲しいというべきなのかもしれません。


>> 平野雅之の不動産ミニコラム INDEX

(この記事は2008年12月公開の「不動産百考 vol.25」をもとに再構成したものです)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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