スクラッチを世に広めたヒップホップのDJ達

音を再生する機械がこの世に生まれたのは1877年。トーマス・エジソンの発明によって蓄音機(フォノグラフ)が誕生しました。第一次世界大戦時には、戦いに出たアメリカ兵士達のために特別な蓄音機が作られ、音楽を聞くことによって兵士達は故郷を思い出したり励まされたりしたそうです。
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Thomas Edison


それから約140年、レコードプレーヤーは形を変え、その在り方や役割も変わりました。

「レコードを回す人=DJ」と一口に言っても、ラジオDJやクラブで回すDJ、ミックステープDJやバトルDJなど色んなタイプのDJがいて、音楽のジャンルによってもDJのスタイルは様々。ヒップホップにおいてもDJは欠かせない存在で、ヒップホップを音楽のジャンルとしてでなく、カルチャーとして見れば、DJはMC、ブレイクダンス、グラフィティーと並ぶ四大要素の一つであり、とても大きな意味を持ちます。

(c) Atsuko Tanaka

(c) Atsuko Tanaka


ヒップホップのDJのルーツはヒップホップの歴史Vol.1でもご紹介したヒップホップの生みの親、クール・ハークに遡るでしょう。他にもヒップホップ初期のDJで重要人物と言えば、こちらも同記事でご紹介したズールー・ネーションの発起者であり、“ヒップホップ”という言葉を作ったアフリカ・バンバータの存在も欠かせません。
Kool and Bambaataa

上: Kool Herc 下: Afrika Bambaataa (c) Atsuko Tanaka


現代では良く知られている、DJがレコードを前後にこすって音を出す“スクラッチ”という技が世に広まったのは80年代初期。今では珍しくないことですが、当時はかなり画期的でショッキングな技法であったようです。

スクラッチを広めたDJとしては、発案者とされるグランド・セオドア・ウィザードや、80年代初期に活躍していたヒップホップグループ、グランドマスター・フラッシュ・アンド・ザ・フューリアス・ファイブのDJであり、スクラッチやバックスピンなどの技を得意としたグランドマスター・フラッシュ、そしてジャズ界の大御所ピアニスト、ハービー・ハンコックのグラミー賞受賞曲、“Rockit”で、スクラッチをしたグランドミキサーDXTなどが挙げられ、彼らもヒップホップ界、音楽界に多大な功績を残しました。

Herbie Hancock - Rockit