美術館や美術系大学では、展覧会や美術作品に関係したイベントとして、講演会、レクチャーがしょっちゅう行われています。

その内容は、現役アーティストによる作品制作の裏話、展覧会を企画したキュレーターによる苦労話など、実にさまざま。作品を見ることとは違う角度で、もっと現代美術を楽しく味わってみませんか。今回は京都精華大学が行う講演会シリーズ「アートはどこへ行くのか?:アートと社会の未来を考える」を取り上げます。


現代美術における講演会やレクチャーとは

京都精華大学の講演会は誰でも参加できます

京都精華大学の講演会は誰でも参加できます


 
スーパーマーケットで試食をして商品を買ったり、トーク付きのミニライブに行ったり、という経験は誰しもあるでしょう。展覧会も、ただ作品を見るというだけでなく、講演会やレクチャーを聞いてみることで、作品やアーティストのことをより深く知ることができたり、もっと気になることが増えたりします。

大学の先生による美術史のような堅い話から、現役のアーティストによる「この作品をつくったときは」という裏話まで、内容もいろいろあります。


「大地の芸術祭 越後妻有トリエンナーレ」ディレクターの北川フラムさんの話を聞く

2000年から新潟県十日町市と津南町で行われている「大地の芸術祭 越後妻有(えちごつまり)アートトリエンナーレ」は、日本屈指の大型アートイベントです。トリエンナーレとは3年に1度開催するという意味のイタリア語で、今年2015年は6回目の「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」が開かれます。

北川フラムさん

北川フラムさん


 
その総指揮をふるうディレクターの北川フラムさんの講演を聞いてみました。

「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレは、作品展示を一極集中させるのではなく、200集落に分けています。地域の人たちとアーティストたち、見に来る人々が、作品の制作や鑑賞を通じて、自然や集落の人たち=生きている場所と関わることを知ることができるようになりました」。

一度行くと分かるのですが、棚田などの自然豊かな場所で、まるで宝さがしのようにアート作品を探し回る、という鑑賞方法は、この地域でしか味わうことができません。

「過疎高齢化の集落に、美術を通じてさまざまな人たちが訪れるようになって活性化している状況は、今までの地域づくりとは全く違うものになっています」。

越後妻有地域は、米の名産地でもあり、温泉がいくつもあるので、この夏の旅行としてもGood! 来年には、同じく北川さんがコーディネートする「瀬戸内国際芸術祭」もあります。北川さんはアートを取り込むことで、これまでの価値観とは違うものを感じることができる場が生まれている、という話をしていました。