ヨーロッパのビーチリゾートで夏の海を満喫
こんな青くて透明な海、ヨーロッパのどこでしょう?! 正解は後ほど!
おすすめのビーチはたくさんありますが、1国1ビーチにしぼってランキングを作成しました。何を持ってビーチの良し悪しとするかは人それぞれですが、ぜひ参考にしてみて下さい。はたして1位はどこでしょうか?
第7位【キプロス】リマソール海岸
都会的洗練度 ★★★★隠れ家的雰囲気度 ★★
海の透明度 ★★★
近年観光地として脚光を浴びるようになったキプロス。地中海の東の端に位置し、トルコやシリアが目と鼻の先ですので、むしろ中東と言った方が近いかもしれません。しかし2004年にEUに加盟し、2008年からは欧州単一通貨ユーロも導入されているれっきとしたヨーロッパの中の一国で、言わば「ヨーロッパから一番遠いヨーロッパ」です。
リマソール(レメソス)はキプロスの南海岸に位置する町で、近年の観光開発に伴い高級リゾートホテルやリゾートマンションの不動産開発が進んでいます。海岸沿いの大通りに沿ってホテルが立ち並び、開放感あふれるレストラン(タベルナ)も軒を並べています。
ビーチから西の港やマリーナの方へ進むと約1キロほど潮風の心地よいプロムナードが続いています。ちょっと泳ぎつかれた時や、食後の散歩などにはぴったりの場所ですので、ぜひ足を延ばしてみてください。
キプロスへは特に近年のLCC(格安航空会社)の台頭によりヨーロッパ各地から多くの便が就航するようになりました。例えばロンドンからは片道約5時間ほどもかかる距離ですが、お得な運賃がキプロスを身近なものにしています。またロシアからの観光客が多いのも特徴です。
リマソールへは西のパフォス(Paphos)空港、もしくは東にあるキプロス最大のラルナカ(Larnaka)空港が便利、空港からバスで1時間くらいです。
第6位【オランダ】スケベニンゲンビーチ
都会的洗練度 ★★★★★隠れ家的雰囲気度 ★
海の透明度 ★
やはり北ヨーロッパからも一つはランクインさせたいと思いますので、敢えてこちらをご紹介します。スケベニンゲンはオランダの事実上の首都デン・ハーグに隣接した町で、トラムならデン・ハーグ中央駅から15分ほど、有名な国際司法裁判所(平和宮)からなら約10分で到着です。
世界の面白地名ランキングの類いではマルデアホ(アルゼンチン)、オナラスカ(アメリカ)などと並んで必ずランクイン(しかも大抵1位!)するこのスケベニンゲン(オランダ語では「スヘフェニンゲン」と言った方が発音が近いようですが、ここでも敢えてスケベニンゲンでいきましょう)、その魅力は何といっても上記の通りのアクセスの良さ! 日本に例えたら東京駅から少し東へ行った隅田川沿いが延々とビーチになっているような感じでしょうか。
抜群の透明度を誇るエメラルドグリーンのビーチ、というわけにはいきませんが、その分ここにはビーチ沿いにところ狭しと並ぶレストランやバー、加えて行楽客を飽きさせない数々のエンターテイメント施設が揃っています。ビーチの中心にある桟橋(ピア)では観覧車のみならずバンジージャンプ、そして今話題のジップラインも体験できます。冷たい北海の海で泳ぐというよりも、海の近くで「遊ぶ」のがスケベニンゲンの何よりの楽しみ方なのです。 バンジージャンプの詳しい案内はこちら
ジップラインの詳しい案内はこちら
もう一つ、スケベニンゲンのランドマーク的存在なのがクアハウス。有名スターのコンサートなど数々の催しものが開催されてきた歴史あるホテルで、百数十年の歴史を物語る堂々たる佇まいが印象的です。
クアハウスの道を挟んで反対側にはカジノもあり、夜のエンターテイメントも充実した近代的総合ビーチリゾートといえるのがスケベニンゲンです。
デン・ハーグ中央駅からは9番のトラム、またデン・ハーグ市内中心部や国際司法裁判所からは1番のトラムで。フェルメールのふるさと、デルフトからも1番トラムに乗れば乗り換えなしで行くことができます。終点一つ手前の“Kurhaus”で降りるのが便利です。
デン・ハーグのトラム路線図はこちら(路線図右上がScheveningenの“Kurhaus”です)
第5位【ギリシャ】ミコノス島 パラダイスビーチ
都会的洗練度 ★★★隠れ家的雰囲気度 ★★★★★
海の透明度 ★★★
どこまでも続く白壁の街並みが印象的な、最もエーゲ海らしい島の一つミコノス島。ここにあるパラダイスビーチは中心街ミコノスタウンから路線バスで15分ほどのところにある人気のビーチです。美しい海とエーゲ海の陽光降り注ぐ開放的な雰囲気に魅かれて多くのヨーロッパ人がバカンスに訪れます!
ミコノスタウンからパラダイスビーチへのバス時刻表はこちら
ミコノス島の教会。白壁の街並みが空の青や太陽の赤をいっそう引き立てる
ここパラダイスビーチを有名にしている理由の一つに、「ヌーディストビーチ」であることが挙げられます。 ヌーディストビーチとはその名の通り、生まれたままの姿で海水浴を楽しめるビーチのことです。
実際には水着を着用している人が圧倒的ですが、トップレスは珍しくありません。どこまで衣をまとうかは人それぞれの判断ですよ。
また、岬を一つ隔てた向こう側にはさらに「スーパーパラダイス」ビーチがあります(名前がすごい!)。スーパーパラダイスはパラダイスより少々こじんまりとした大人の雰囲気、パラダイスから渡し船で訪れます。
実はここはゲイのパラダイスとして世界的に有名です。しかし、私自身の感想としては、それほど熱烈な愛情表現の姿を目にしたという印象はないですので、男女が普通のビーチとして訪れても楽しめるでしょう。
ひとしきり泳いだあとは、ミコノスタウンに戻ってエーゲ海に沈む夕日を眺めながら素敵なディナーを楽しんでください!
アテネからミコノス島へは航空便もありますが、やはり船がオススメです! 特に夏のシーズンの間はフェリーからジェットフォイルまでたくさんの便があります。2時間程度で着いてしまうものから、中には8時間以上かけて行くフェリーもあります。発想を変えて、クルーズ気分でエーゲ海の島々を渡りながらゆっくり行くのも魅力的ですね。
エーゲ海の夕日、水面を進む帆船とともに。こんな景色も船の旅ならでは
第4位【フランス】コートダジュール ニース海岸
都会的洗練度 ★★★★★隠れ家的雰囲気度 ★★
海の透明度 ★★★★
ゆるやかな弧を描く海岸線がどこまでも続いていく、ヨーロッパ屈指のビーチリゾート、ニース海岸。海の青さも地中海ならでは!
フランス南部の地中海沿い、ニースやモナコを中心とした一帯はコートダジュールと呼ばれ、ヨーロッパの中でも最大級のリゾート地帯を形成しています。コートダジュールとはフランス語で“青い海岸”、日本語で紺碧海岸と訳されることもあります。
その名の通りの紺青の海は欧州の一大リゾート地としてヨーロッパ中の観光客を引きつけてやみません。特にニース周辺のどこまでも続く海岸線は美しいの一言かと思います。
コートダジュールはニースに限らず、そこら中がビーチだといっても過言ではないでしょう。東のモナコや西のカンヌの方へ足を延ばしながら、自分のお気に入りのビーチを探してみるのも楽しいですよ。トンネル一つくぐるだけでグンと透明度の高いビーチに出会えたりします。ただし、プライベートビーチもありますので気をつけてください。
ニースは都会とはいえ超高層ビルのようなものはありません。むしろ文化的な歴史を感じる街並みでありながら、どことなくおしゃれで洗練されている。そんな雰囲気が保養地ニースの町が持つ魅力なのではと私は思います。多くの芸術家たちがここコートダジュールでインスピレーションを得て大作を完成させていったのも、この地が持つ不思議な魅力の証です。
また、ニースほど夕陽が海岸線に映えるところは世界にないでしょう。訪れたら天気の良い日を狙って一度は展望台からの夕陽を見に行きましょう。大切な人と行ったら、きっと一生忘れられない思い出になりますよ!
第3位【イタリア】アマルフィ海岸
都会的洗練度 ★★★隠れ家的雰囲気度 ★★★★
海の透明度 ★★★★
絵はがきやジグソーパズルでもおなじみ、アマルフィ海岸・ポジターノの全景。断崖絶壁に建ち並ぶカラフルな家と地中海の青のコントラストが美しい。。
イタリア南部の中心都市、ナポリからさらに20キロほど南に行ったところにあるソレント半島の南海岸一帯が「世界で一番美しい海岸」とまで形容される世界遺産のアマルフィ海岸です。ソレント半島は非常に山がちな地形で、その山容がアマルフィの海岸線までせり出しています。つまり、アマルフィ海岸のすぐ背中は急峻な山です! この独特な地形が、アマルフィ海岸の類のない美しさを造りだしていると言えるでしょう。
アマルフィ海岸の西の入り口はナポリ民謡「帰れソレントへ」で有名なソレント、東の入り口はサレルノ(ナポリから列車で40分ほど)です。この間約50kmに渡って続くアマルフィ海岸を通る車は、時には崖と崖の間を縫うようにして進んで行きます。決して交通の便が良いとは言えないからこそ、いつまでも変わらない風景が保たれているのかもしれません。何といっても、ここは世界「文化」遺産なのです。
アマルフィ海岸へ来たら是非とも訪れたい街が二つ、一つはポジターノ、もう一つがアマルフィです。
ポジターノはアマルフィ海岸の中でも西よりのソレントに近い方にあり、アマルフィ海岸の写真や絵はがきなどで紹介されるのは大抵このポジターノの風景です!
断崖絶壁にカラフルな家々が建ち並ぶ独特の景観に地中海の青、教会のまばゆいドームが折り重なる絵はがきのような景色はここだけのもの。ビーチへ向かう下り坂沿いにはおしゃれなお土産屋さんやカフェなどが並んでいて、地中海ムードにあふれています。
アマルフィはアマルフィ海岸の中心都市だけあってレストランやお店も多く、いつも多くの観光客で賑わっています。街の中心に建つドゥオーモはかつての海洋都市国家「アマルフィ公国」の栄華を今に伝える壮麗なたたずまい。ビーチで肌を焼くのもよし、ショッピングを楽しむのもよし、思い思いの滞在が楽しめるでしょう。
アマルフィ海岸を走るSITA社のバス時刻表を掲載しておきますので、計画に役立ててください。ただし、特に夏場は混雑で時間通りには進みませんので計画には余裕を持って。
アマルフィ海岸のバス時刻表はこちら
「Choose the route」のタブでナポリからの直通バスなど、周辺のルートの時刻表も検索できます。
アマルフィ海岸の歴史など、詳しくはこちら
第2位【スペイン】マヨルカ島東海岸のビーチ
都会的洗練度 ★★隠れ家的雰囲気度 ★★★★
海の透明度 ★★★★★
マヨルカ島東海岸でも比較的大きなカラ・グラン。どこまでも青く透明な海と、プライベート感満点のビーチに心躍る
1年のうち300日は晴天といわれる地中海バレアレス諸島最大の島がマヨルカ島です。ヨーロピアンのリゾートとしては老舗中の老舗で、ヨーロッパ各地から直行便が飛んでおり、寒い北ヨーロッパから2時間程度で太陽いっぱいのマヨルカに降り立つことができます。
ここマヨルカ島の特に東海岸には“Cala”と呼ばれるほぼ長方形の小さな入り江がたくさん形成されていて、プライベート感とリゾート感を兼ね備えた素晴らしいビーチがいくつもあります。ビーチ好きなら、絶対とりこになってしまうような素敵なところですよ!
マーメイドになったような気分で碧い海をひとりじめ
それだけに交通の便は良くなく、レンタカーでのアクセスが基本です。マヨルカ島の中心都市パルマから片道1時間半から2時間ほどの距離です。基本は一本道ですし、しかも「島」ですから、迷ったとしてもそう大したことにはならないでしょう。
パルマ周辺にも大小いくつものビーチがありますが、やはり海の透明度が違います。沖縄本島那覇近くのビーチと、離島のビーチのような違いと例えれば分かりやすいでしょうか。さらに、当たり前ですがパルマ周辺のビーチは人が多いです。ゆっくりプライベートを満喫したい方には、すこし遠いですが、離れたビーチがおすすめです。
パルマ中心部やパルマ港に近いマホールビーチ。ここでも透明度はなかなか
CalaとCalaはわりと隣接していることが多く、1つのCalaから歩いて隣のCalaへ、午後はそのまた隣りのCalaへといった感じで、いくつものビーチを同時に楽しめるのもここの魅力です。1つ隣りのCalaへ行くだけでまたビーチの雰囲気もけっこう変わったりして、飽きることがありません。
隣りの“Cala”への抜け道。小路の先に現れる青いオアシスに胸が高鳴る
美しいビーチには大体隣接してホテルがありますので、あこがれの「ビーチまで〇〇秒!」もあたりまえ。金銭的な贅沢三昧ができるような施設はほとんどありませんが、ハワイのワイキキなどでは味わえないような贅沢な時間を楽しめると思いますよ。
ホテルからビーチまで歩いて数十秒!何もしない、何も買わない、ただ自然と戯れるだけの贅沢
第1位【クロアチア】ドブロブニク バニエビーチ
都会的洗練度 ★★★★隠れ家的雰囲気度 ★★★★
海の透明度 ★★★★★
世界遺産と泳ごう! 沖縄の離島にも引けを取らない海の透明度と、タイムスリップしたかのような神秘的な景色に抱かれながら、時を忘れてヨーロピアンリゾートを満喫
堂々の第1位は近年ますます注目されているクロアチアのドブロブニクです。 まず特筆すべきはその海の透明度、アドリア海ってこんなに綺麗だったんだと言葉を失うほど。というわけで冒頭の正解はここドブロブニクのバニエビーチです!
そしてこのビーチのすごいところは贅沢にも借景に珠玉の世界遺産「ドブロブニク旧市街」を擁していること。綺麗な海は数あれど、人工美と自然美がここまで調和しているビーチなんてそうそうお目にかかることはありません。
「アドリア海の真珠」とまで言われる美しい中世の街並みを眺めながら、本当に真珠が息吹いてそうな紺碧の海にもぐってヨーロッパの夏を肌で感じることのできるのが、ここドブロブニクです。南太平洋の素朴な海も魅力的ですが、ヨーロッパの洗練された大人のビーチの魅力にひととき酔いしれてみるのはいかがでしょうか。
日が傾いてきたら、すぐ目の前の旧市街へ足を延ばしましょう(徒歩5分ほどです)。石畳の中世の町にどっぷりと迷い込んで、キャンドルをともしながら夕食のテーブルを囲むのも悪くありません。
かつてのユーゴスラビアから独立を経て、2013年にはEUにも加盟してますますボーダーレスになったクロアチア。ただ、その中でも近年急速に観光開発が進む人気のエリアだけに、自然環境への影響は心配の種です。いつまでもこの美しい遺産と自然が守られることを願って止みません。
詳しくは「ドブロブニク旧市街 クロアチアの"アドリア海の真珠"」へ
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