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大きく育つか?英国債券ファンド

毎年のように新たな投資先(投資対象)が増えている投資信託。まだ純資産額は少ないものの新たな投資先で注目したいのが「英国債券」を投資対象とする投資信託。どのような商品なのか見てみましょう。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

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欧州の単一国に投資するのは難しい

英国債ファンドに注目

英国債券ファンドに注目

毎年のように新たな投資先(投資対象)が増えている投資信託。

2014年あたりからはラップ型ファンドがその範疇に入ると思われますが、ラップ型ファンドはバランス型ファンドの進化系に過ぎないように見受けられます。そこで、まだ純資産額は少ないものの新たな投資先で注目したいのが「英国債券」を投資対象とする投資信託。どのような商品なのか見ていくことにしましょう。

ETFを含めた投資信託の中では、意外と選択肢が少ないのが欧州を投資対象とする投資信託です。ユーロ圏全体に投資する投資信託はあるものの、ドイツやフランスなどの単一国を投資先とするものはごく数本しか設定されていないのです。

ETFに関しては、2015年3月に欧州株を投資先とする商品が7本同時に新規上場しましたが、単一国を対象とするものは英国とスイスだけでした。このため、未だドイツやフランスだけを投資対象とする投資信託(ETFを含む)は設定されていません。

2015年上半期のドイツの株価指数「DAX指数」の上昇率は約13%でしたが、一時期は先進国の中でトップクラスの上昇率だったことから、DAX指数の上昇は指をくわえて見ているしかなかったのです。現実には今も変わることはありませんが……。

ニーズがないのか、はたまた株式であればMSCIコクサイ、債券であればシティグループ世界国債インデックス連動の商品で事足りるのかもしれませんが、投資スタイルが多様化したことから、出来れば単一国の商品も増やしてもらいたいものです。

公共債が中心のファンドが多い

そのような状況下、昨年後半から徐々に新規設定が増えつつあるのが英国債券または英国ポンド建て債券を投資対象とした外国債券型投資信託。同投資信託の為替ヘッジあり、為替ヘッジなしを別々に数えれば、2015年7月6日時点で7本が運用されています。それぞれ簡単にチェックしていきましょう。

運用履歴が最も長いのが、アムンディ・ジャパン「アムンディ・英国債ファンド(毎月決算型)、同(年2回決算型)」です。英国ポンド建ての国債、地方債、政府保証債、政府機関債、英国物価連動国債、国際機関債を投資対象としています。為替のヘッジは行われていません。毎月決算型は1万口当たり50円の分配金が支払われていましたが、2015年6月決算期より70円に増額しています。

大和住銀投信投資顧問「英国国債ファンド ギルド10」は、残存期間10年程度までの英国国債に、原則として各残存期間毎の投資金額がほぼ同額になるように投資されます。為替ヘッジあり、為替ヘッジなしタイプがあります。共に年2回決算型ですが、最低投資金額は5000万円(または5000万口)であることから、そう投資できるファンドではありません。

大和証券投資信託委託「英国公社債ファンド(毎月決算型)」は、英国ポンド建ての国債、地方債、政府保証債、政府機関債などのほか、社債を投資対象としています。投資する格付はトリプルB(BBB)以上となっています。分配金は1万口当たり20円が支払われています。

最も新しいのが、インべスコ・アセットマネジメント「インべスコ英国ポンド建て債券ファンド」です。同投信は、英国ポンド建ての公社債を主な投資対象としていますが、市場動向に応じて純資産総額の50%を超えない範囲で、投資適格未満の債券(ハイ・イールド債券や金融劣後債等)に投資することがあります。自由度の高い運用手法を用いて、信用格付配分や金利感応度等を積極的に変化させます。

同投信には、為替ヘッジあり、為替ヘッジなしがあり、為替ヘッジありは1万口当たり20円、為替ヘッジなしは同80円の分配金を支払っています。他の投資信託は公共債中心の運用であることから、特徴が際立っているのはインべスコの英国ポンド建て債券ファンドと言えるでしょう。

英国債券ファンドが大きく育つのか注目していきましょう。

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