特定求職者雇用開発助成金の概要と支給要件
高年齢者等を採用する場合に利用できる助成金もあります
高年齢者や障害者等の就職困難者をハローワーク等の紹介により、1年以上継続して雇用する契約で採用する会社に対して助成されます。本助成金は採用対象者によって次の3つの給付金に分かれています。
■特定就職困難者雇用開発助成金
高年齢者(60歳以上65歳未満)や障害者、母子家庭の母などの特に就職が困難な者の雇用機会の増大が目的です。
受給金額は、受給する企業が中小企業かそれ以外か、また採用する労働者が短時間労働者かそれ以外の労働者かによって異なります。さらに採用する労働者の就職困難度によっても変わります。
たとえば、中小企業が60歳以上65歳未満の高齢者を短時間労働者以外の労働者として採用した場合、90万円を受給できます。同様に重度障害者等を短時間労働者以外の労働者として採用すると、2年間にわたり総額240万円受給できます。
なお、短時間労働者とは1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の労働者をいいます。
■高年齢者雇用開発特別奨励金
65歳以上の離職者を1年以上継続して雇用する契約で採用した場合に助成されます。高年齢者の経験を活用することを目的としています。支給金額は、受給する企業が中小企業かそれ以外か、また採用する労働者が短時間労働者かそれ以外の労働者かによって異なります。たとえば中小企業が、高年齢者を短時間労働者以外の労働者として採用した場合、60万円が支給されます。
■被災者雇用開発助成金
東日本大震災の被災者を援助することを目的とした助成金です。
■留意点
- 事業主が対象労働者と採用前3年間に、直接雇用、派遣、アルバイト等で就労関係を結んでいた場合、またはハローワークの紹介以前に採用内定をしていた場合は助成の対象になりません。
- 対象労働者が事業主または取締役の3親等以内の親族である場合は助成の対象外となります。
- 過去に雇用した対象労働者が5人以上いる事業所において、新たに採用する労働者の雇い入れ日の前後6ヶ月以内に、他の対象労働者の離職率が50%を超えた場合、この新たに採用する労働者については助成金が支給されません。
- なお離職率の対象となる離職は、本人の死亡等を除き、理由の如何を問いません。
- 「特定就職困難者雇用開発助成金」「高年齢者雇用開発特別奨励金」「被災者雇用開発助成金」のいずれかの離職率要件に該当した場合、すべての助成金で新たな助成を受けることが出来なくなります。
ハローワークの紹介を忘れない
くどいようですが、助成金はハローワーク等の紹介を通じて採用した者でなければ対象になりません。最近はハローワーク・インターネットサービスを閲覧して、直接申し込みをしてくる求職者が増えています。このような場合は、ハローワークで紹介状を受けてから応募するように促してください。この段取りを忘れると、受給できる助成金の権利をみすみす失うことになります。