歯を失った人はやせや肥満、低栄養の傾向

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早口腔のケアは、若い頃のメンテナンスが重要です。

さらに、歯を失った人は、痩せあるいは肥満が多いことも指摘されています。これには、「肥満や糖尿病により歯周病を介した歯の喪失も考えられるが、歯の喪失による咀嚼能力の低下から菓子類など栄養価が低く高カロリーの食品の摂取が増えることによる肥満、あるいは総摂取エネルギーの減少による痩せという関連も十分に考えられる」とされています。

また特に高齢者においては歯の喪失と低栄養の関連を指摘する報告が多くみられました。高齢期は味覚や嗅覚の低下、薬の使用、愁訴、社会的孤立などにより、低栄養へのリスクが高まるといわれています。

その他の文献では、歯並びや噛み合わせと咀嚼機能をできるだけ正常に維持することが、寝たきり老人の発生を抑え、認知症等の進行抑制や改善をもたらすことも明らかにされています。歯が多く残っている人ほど医療費が少ない傾向もありました。

栄養面だけでなく、報告数は少ないですが、コミュニケーションや休養と関連するストレスや睡眠状況も口腔状態と関連性があり、今後の研究が必要とされています。

歯を失っても義歯を活用することの意義

一方で、多数歯を失っていても義歯を適合に保っていれば、野菜・果物といった食品群、あるいはビタミン類等の栄養素摂取量の減少は認められない傾向がありました。

また歯がほとんどないのに義歯を使用していない人は20本以上歯が残っている人の1.9倍認知症発症のリスクが高いこと、さらに歯がほとんどなくても義歯を入れることで、認知症の発症リスクを4割抑制できる可能性も示されていました。

高齢者を見ていると、抜けた歯があってもそのままにしていることがありますが、こうしてみると歯の重要性がわかると思います。高齢になっても歯をできるだけ維持する、また、もし失っても義歯の適合を維持することなど、歯や口腔のメンテナンスをしておくことが、健康長寿に役立つといえるでしょう。それは、高齢になってから始めるのではなく、若い時から心がけておくべきことだと思います。

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参考/
・8020運動とは(e-ヘルスネット/厚生労働省)
・『健康長寿社会に寄与する歯科医療・口腔保健のエビデンス集2015(』日本歯科医師会)
・咀嚼機能と長寿―80 歳住民での 12 年間コホート研究から―
・高齢者の残存歯数と認知機能との関連性(鹿児島大学医学雑誌)
・社会保障制度改革国民会議 提出資料 (日本医師会)
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